『ハーバード日本史教室』でニュートラルな日本観を学ぶ

近年、ハーバード大学で日本史の授業の人気があるらしいです。そのことをテーマにした本を読んでみました。

『ハーバード日本史教室』

ハーバードで日本史の人気があるなんて、なんか嘘っぽいですよね。ここ5年ぐらい、訪日外国人数の急激な増加もあって、世間では日本礼賛、日本スゴイと持ち上げるムードがあります。この本もそれの一貫なんじゃないかと疑いました。

また、この安易な日本礼賛ブームには、それを冷ややかに見つめる意見もあります。日本をひたすら褒めるのは、日本のポジションが国際社会の中で凋落して来ているからだ、というものです。日本に勢いがあった頃は「ここがヘンだよ日本人」という日本をけなす番組が主流だったと。

私は、マンホールに絵が描いてあるから日本スゴイみたいな安易な日本礼賛は寒いと思っていますが、世界の中で日本にしか無い特徴というのはいろいろとあると思うので、それは正しく外国からのお客さんに伝えたいと思っています。

この『ハーバード日本史教室』はアメリカの大学教授達がインタビューで日本について語るというもので、ニュートラルな視点で日本の特徴を述べている本です。

とりわけ戦争の話というのはデリケートな話題で、ガイドをしている時にも気を使います。この本では、「アメリカが原爆を落としたことは正当だったか」というテーマも語られています。トルーマン大統領や日本の戦争責任を一方的に非難することなく、あの状況下でアメリカが優先すべきことは何だったかという論点で書かれています。

通訳ガイドも色んな人が居るので、日本はアジアを侵略した極悪国家だったという自虐史観を信じている人も居ると思います。そういう人はそういう視点でガイドをすると思いますが、私は戦争に関する話をする時は、我々の先祖は国のために戦ったとは言いたいですね。靖国神社なんかをガイドすると面白いと思いますが、流石に靖国に行くツアーは多くはないようです。

この本で私が面白いと思ったのは、現存する世界最古の企業が日本にあるという話でした。金剛組という会社で、寺社の建築、修繕をする会社だそうです。もともとは聖徳太子に命じられて四天王寺を建設した会社なので、1400年ぐらいの歴史があります。そんな会社が未だに存続しているなんて驚きですね。四天王寺をガイドする時に話すと話題が膨らんで面白いと思います。

日本には、世界最古のものがたくさんあります。例えば皇室は現存する世界最古の王朝だし、源氏物語は世界最古の小説です。こういうものをたくさん持っている日本という国は魅力的だと思うので、それは誇るべきだと思います。テレビなんかでの日本礼賛ムードを過度に嫌って、日本は何も凄くないみたいなことを言うのはおかしいと思います。

通訳ガイドを目指す人は、ハーバードの学生や教授が日本についてどう思っているかを学ぶためにも、この本を読んでみると良いと思います。

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