満点ホルダーに会いに行く 第3回 TOEIC満点の花嫁さんインタビュー

グプタです。

久しぶりに「満点ホルダーに会いに行く」のインタビューを行うことができました。

今回は、TOEIC満点の花嫁さんからお話を伺いました。ざっくばらんに話したので、今回のインタビューではTOEIC満点を取るための技術論はあまり話さず、メンタル的な話が多いです。話はTOEICと人生の幸せや恋愛まで飛びました。

話題は以下の3つです。

1 SNSのやり過ぎに注意!
2 満点までの経緯
3 TOEICは人生を幸せにするか

全部で6,000字ぐらいあるので長いですが、ぜひ最後まで読んでみてください!

1 SNSのやり過ぎに注意!

グプタ(以下グ) 僕も花嫁さんも最近TOEICから離れているから、今日は技術的な話よりもメンタル的な話を伺えればと思います。実際、花嫁さんはTOEIC満点を2回も取得されていて凄いですね。

TOEIC満点の花嫁(以下花嫁) いえいえ、私なんて失敗ばかりで、反省することがたくさんありますよ。

グ そうなんですか?どんなことが失敗でしたか?

花 過去の自分に伝えたいのは、SNSやTOEIC関連のセミナーで時間を使い過ぎない方が良いってことですね。本当に満点を取りたいなら半年ぐらい腹をくくってやるのが良いと思います。集っていたのは楽しかったけど、私の場合はスコアに反映されませんでした。私も1回目の満点を取るまではイベントにたくさん行ったりしていました。でも2回目を目指すにあたって、そんなんで良いのかなと思ったんですよね。TOEICってストイシズムが無いとダメです。

グ みんなで集まって何かをするのは心強いけど、予備校と同じで、コミュニティの中ではだらだらしてしまう人も多いものじゃないですかね。基本的に勉強って一人でやるけど、一人でずっとやってるのもしんどいから、TOEICコミュニティが必要ではあるんですよね。あと、SNS等で僕は交流はあんまりしないですけど、かと言って最近はTOEICの勉強をしてるわけでもないですね。つい『桃太郎電鉄』とかやっちゃってます。それはTwitterで時間を浪費するのと一緒ですよね?TOEICに集中していないという意味では、同じだと思うんです。

花 桃鉄をやることが幸せなら桃鉄をやるのは良いと思うんですよ。ただそれは当たり前だけどスコアアップには繋がりません。

グ SNSやイベントも楽しいからやってるわけで、一緒じゃないですかね。

花 でも目的が違わないですか?TOEICの点数を上げるための集まりでありながら…。

グ みんな目的があって行動してるわけで、やってる人はSNSが楽しいからやってると思うんですね。だったら桃鉄をやりたくてするのと一緒かなと。ただTOEIC関連の集まりはTOEICのスコアアップのためだから、それじゃダメだということですか?

花 そうだと思います。以前の私は目的を履き違えてましたね。900点ぐらいでTwitterとかイベントで時間浪費して1年経っちゃったらもったいないじゃないですか。私もそうだったから反省してます。そもそも、SNSを見ないこと自体がけっこう大事だと思いますね。別に、テスト終わってからはいくらでも見て良いんですよ。でも前日とかにずっとTwitterやFacebookをやってたりするのはどう考えても良くないですね。

グ まあ、そういう人は本気で点数を上げたいわけじゃないんですよ。

花 本当に勉強しててTwitterもやってる人も居るかもしれませんが。自分の成果が出てなかった時期の敗因を考えると、オフ会とかイベントに行って満足してしまってましたね。

グ 僕はイベントに行って英語の点数が上がるわけじゃないと思ってるから、特別に行きたいな、と思ったイベントしか行きませんが、だからと言って僕のスコアは上がってないので、イベントに行かないことによってスコアが上がるわけでも無いですよね。

花 そうなんですけど…いえ、大事なことは、イベントに行かないで、勉強をするんですよ!行っちゃって、私勉強したな、っていう気分になるのが一番ダメなんですよ。停滞してた時期はそんな感じでした。大事なことは、コツコツやることですよ。某TOEICマニアの人なんか1日で5模試とかやってたそうですからね。

グ 1日で……。ああ、僕もTOEICは好きでグプタを自称していろいろ書いてますけど、そこまで俺はTOEIC好きじゃないなぁ…。

花 その気づきが大事ですよ。別に満点を目指さなくても良いんですよ。私も結局伸びなかった頃に、私はTOEICが好きだと思い込んでいたけど、たいして好きじゃないなって思い始めて、そこから、気持ち悪いんですけどTOEIC愛について考えてしまいました。

グ (笑)

花 引かないで(笑)

グ いやいや、別に引かないですよ。

 

2 満点までの経緯

グ もう少し具体的なTOEICの話に入りましょう。最初は何点ぐらいからTOEICやってたんですか。

花 500とか600だったんですが、留学した時に900点を超えました。900点は本当に壁を感じましたね。でもそれからは6年ぐらいベストスコアが900でした。800点後半もよく取りましたね。満点を目指すきっかけになったのは『直前の技術』だったんですよ。900点から『直前の技術』をやったら930ぐらいまで伸びたんですよ。この本はすげーなと思いましたね。それからTOEICにハマって、もしかして頑張ったら満点取れるんじゃない?と思って。

グ 普通の人は600点ぐらいから直前の技術をやって700ぐらいに上がって、そこから900を目指しますから、900から初めて直前の技術を使うっていうのは凄いアドバンテージでしたね。

花 もちろんその30点を上げるのも苦しかったですけどね。900が限界なのかな、と思っていました。だから、直前の技術は割と私の人生を変えた本です。それを使ってからスコアも上がって、TOEICが楽しくなりました。でも950以降はあんまり直前の技術とかではないな、と思います。

グ それはそうですよね。930とか950ぐらいから990までの道って、本当に見えないですよね。道なき道というか、修羅の道って清涼院流水さんが言ってましたね。その修羅の道はどうやって超えたんですか?

花 あるTOEICマニアにTOEIC愛について懇々と説明されたんですよ。

グ (笑)

花 (笑)えっと、そう、それで気付いたんですが、TOEIC満点は、本当にTOEICへの愛が無いと取れないと思いますね。サイボーグじゃないからそんなに機械的にやれないじゃないですか。だから、TOEIC愛というのは無いと辿り着けないですね。

グ そのマニアの方のTOEIC愛について聞いて、その後、花嫁さんのTOEICはどうなったんですか?

花 その後、TOEICにのめり込むようになりましたね。それから1年ぐらいで990点に達しました。

グ それは早いですね。

花 その前の年は、1年で5点しか上がらないこともありましたけどね。960点ぐらいから。でもその次の年にズンズンって上がって、990点が取れました。

グ その時はどんなことをしてたんですか?

花 人に英語を教えるようになりましたね。個人的に。

グ 基本的にはTOEICの勉強って、英語を頭に詰め込んでく作業だと思うんですが、教えても別に自分の英語のストック増えないですよね?

花 そうなんですけど、教えることで、満点取らなきゃってプライドができました。人に偉そうに教えてるけど1年で5点しか伸びなかったりしたから、あと25点なんとか詰めたいなって。教える立場として信頼もされますし。

グ 例えば以前、スキマ時間の活用が大事と仰っていましたが、リスニングですか。

花 リスニングはけっこう前から満点取れてたので、リーディングでしたね。立ち模試とかしてました。

グ 何で立つんですか?集中力が上がるから?

花 スキマ時間にやるためです。電車乗る前の2、3分とか。

グ そうか、東京の人はそうだった。

花 ホームで回答用紙を折り曲げて解いてましたね。

グ 東京の人はそうやってやるんですね。
それで、具体論に戻りますが、以前に金のフレーズはお勧めだと仰っていましたね。金のフレーズはどういう点が良いと思いますか?

花 公開テストの後に金のフレーズを見ると、あっ、めっちゃ出てる、と思いますね。あと公式との整合性も高いですね。本物が載ってると思います。

グ どれくらいやりましたか?

花 900点後半になってから本気でやりました。900点後半から意識変わってくるんですよ。金のフレーズ全部覚えてないのに満点取ろうなんておこがましいでしょ、って思い始めて、難しいページも全部やろうと思いました。満点取った時は完コピしてましたね。

グ TOEIC対策の難問集みたいなのはやってないですか?

花 900点特急はかなりやりました。バイブルでした。

グ 割とオーソドックスですね。毎回1問か2問ぐらい出題される本当に難しい問題を敢えて対策したりはしてないんですね。

花 『ビヨンド』とか『全問正解』とかもやったけどその時は歯が立たなかったです。新形式TOEICは2問ミスっても990点は取れるので、そういう問題の対策はあまりやってないです。

グ この企画でインタビューするの、3人目ですけど、満点への道、見えてこないです。

花 一人一人、どうやって満点を取るかって違うんですよ。先生だから英語を教えてたらかなりスコアが上がった知人も居ますし。満点の取り方一人一人全然違うと思うんですよ。

グ それこそ、帰国子女だから取れますっていうのも一つの理由ですもんね。

花 私はけっこうストイックにやってたと思います。最近はやってないけど。2年に1回満点取れたら良いかなと思ってます。満点取れてもしゃべれないという問題もありますし。取れてもしゃべれない人居ますし。

グ マジですか。よく「TOEIC満点だけどしゃべれないなら意味がない」とかいう批判を聞きますけど、そんな人居るんですか?それってネタだと思ってました。僕の知り合いの満点ホルダーの人、みんな喋れるから。

花 TOEICってリスニングとリーディングのテストだから、当たり前なんですけど、喋ったり書いたりしないから、実践的じゃないです。音読はしますけど。満点取れなくてもしゃべる人たくさん居るし満点取れる人が全員しゃべれるわけじゃないです。

グ 通訳案内士の仕事的には実践的だと思いましたが。

花 (使われる表現が)ジェネラルっていう意味ではそうかもしれないけど、TOEIC L&Rテストではアウトプットしないじゃないですか。最近は英語を読んだり書いたりしていて、外国人とも話しますけど、今の方が楽しいし英語力伸びてる感じします。結局TOEICってパターンプラクティスだから、Part5とかって解きまくってたら空気のように解けるようになるんですけど、あれが英語力上がってる活動だと思えないんですよ。

グ なるほど。

花 これは私の持論ですよ。もちろん違うと思ってる人もたくさん居ると思います。

グ 2年に1回満点を取りたいという声をたまに聞きますが、スコア自体は2年過ぎても有効なんですよね。

花 有効なのかなぁ。でも2年に1回取りたいです。あと、ストラテジーに頼らずに満点を取りたいです。模試とかを死ぬほど解くんじゃなくて日頃からスピーキングとかライティングとかやって実力で満点を取りたいですね。2回満点取れたのも、TOEICを凄い知ってたから取れただけで、それって本当の英語力なのかしらって思います。

グ それで、ブログやTwitterも英語でやってるんですね。

 

3 TOEICは人生を幸せにするか?

グ そもそも、TOEICの満点を何で取ろうと思ったんですか?

花 それは、人生に挫折をしていたんですよ。ちょうど一旦会社員を辞めたころで。今でこそTOEIC満点もあっていろいろ持ってる人みたいに思われたりもするんですけど、最初に退職した頃は私の中で挫折が大きかったんですよ。仕事も辞めたし、震災が起こって不安も大きかったんです。今は若いからちやほやされるけど、いずれおばさんになった時に実力が無いとやばいぞ私と思ってて、TOEIC満点って分かりやすいじゃないですか。それで目指したんです。可愛く無いですよね?発想が。

グ なるほど。全然満点取れてない僕が言ってしまうのもおこがましいですが、その気持ち分かります。990点って、TOEICを教えてる人でも一生取れないような点数ですもんね。満点が取れれば、まずはTOEICの専門家と言えますね。それで実際に、TOEIC満点を取って良かったことって何ですか?

花 人が私のことを、覚えてくれるようになるんですよ。私を紹介する時に、TOEIC満点の、って紹介されて、覚えてもらいやすくなりましたね。それは仕事を探す時にも、やっぱり役に立つと思います。あとは、目指してやってきたことなので、達成できて凄く嬉しかったです。ただ、若い女性だったので、デメリットもあって、TOEIC前日って遊ぶ用事が入りやすいんですよね。それを断るのが辛かったですね。友達と遊ぶ機会が減ったな〜と思いますね。土曜の夜って楽しい用事が入りやすくて。他の週だったら行けたのに、ってことが多かったです。

グ それは重大な問題ですね。そもそも、TOEICで満点を取っても幸せには近づくのかよく分からないんですよね。

花 日々の小さなことが幸せですか?お昼ごはんが美味しかったとか。

グ それもあります。あと、僕の市役所に居た時の友達は、みんなTOEICも簿記もプログラミングも全くできないけど、みんな幸せだと思います。結婚して子供が居て、家を35年ローンで買って…。幸せだと思います。友達に、ローンで家買わない方が良いよって言ったんですけどね。「俺はマイホームが欲しい」って言われました。そういうのが幸せだと思います。そういう人はTOEICで満点を目指し出すと、幸せから遠ざかっていく可能性の方が高いんですね。休みの日に模試を解いてたら、奥さんから「何やってんの」って怒られるかもしれないです。普通に結婚して子供を育てることが幸せだとすると、900点の人が990点になっても、別に幸せには近付かないんじゃないかなと思います。

花 確かに、TOEICの点数と人並の幸せは、違いますね。

グ でもTOEIC満点を取ったことがない人は満点を取った人の気持ちは分からないから、花嫁さんには僕たちと違った世界が見えているはずですね。

花 まあね。満点を取らなきゃ良かったとは一度も思ったことないですけど、取るまでの道は険しかったです。

グ 確かに、友達のお誘いも断ってますもんね。

花 夫とも、結婚する前は、TOEICの直前や当日の夜は会いたいと思える余裕が無かったりしました。恋愛とTOEICの両立は難しいですね。でも資格とかに挑戦している人は、自分を持ってるから、それで満たされるじゃないですか。マイナスに働くこともあるけど敢えてプラスに考えるとすると、依存して来ないのは、そういう意味では良いと思います。資格とか頑張ってる人って素敵じゃないですか。今の夫も、私が『直前の技術』の良さを初デートで話しても引かなかったんです。以前はある合コンで「TOEICが趣味」って言ったら引かれましたよ。夫とは大晦日に2人で模試とかやってました。変なカップルですよね。


インタビューは、ここで終わりです。

TOEIC満点の花嫁さん、この度はご協力いただきありがとうございました!

満点ホルダーに会いに行く 第3回 TOEIC満点の花嫁さんインタビュー」への4件のフィードバック

    1. こんなに古い記事を読んでくださってありがとうございます。心底楽しいと思ってやっているか、もしくは犠牲を払うかのどちらかが必要でしょうね。

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