英検一級に出てくる単語はネイティブも使わないのか?

英検一級という試験の噂を少しでも聞いたことがある人が口を揃えて言うことがあります。

「英検一級に出てくる単語ってマニアック過ぎてネイティブも使わないんでしょ?」

You Tubeではこんな動画が凄い再生回数を稼いでいました。

動画の中でネイティブの英語講師が、英検一級に出てくる単語に対して、こんな単語使わねーよと言っています。ちなみにその単語はexhortedという単語でした。


英検一級の読解問題の問1は語彙力を測る問題で構成されていて、確かに難しい単語がたくさん出てきます。この動画はTwitterでもバズっていて、

「英検一級は意味ない試験で、作る人も受ける人もバカ」

みたいなリプライで溢れていました。動画の中でネイティブスピーカー様が言っている

「こんな単語使わない」

というのは、100%その通りなのでしょう。ですが、それは文脈を切り取っていますね。英検一級の語彙問題は書き言葉としての語彙を問う問題で、普通のネイティブスピーカーが会話で発するかどうかはまた別問題です。だから、本当に、ネイティブの人は使わないんだと思います。でも、あのスキンヘッドのネイティブスピーカーも、新聞とか本で見て読めば意味は分かるんですね。

日本語でも、書き言葉と話し言葉の語彙はけっこう違っており、漢字2文字の熟語は、本や新聞にはたくさん出てくるけど日常会話ではあまり使いません。熟語ばっかり話す人がいたら、なんとなくオタクっぽい人だと思うでしょう。

私も英検一級の単語帳『パス単』を初めて開いたときは、1ページ中に出てくる単語を全部知らないこともよくあり、何だこの単語は?難し過ぎじゃねーか?と思ったものです。ところが、語彙を勉強し、英検一級に実際に合格してから英語で書かれた本や新聞を見ると、英検一級のために覚えた単語は普通にたくさん出てきますね。本や新聞を読むためには、英検一級程度の単語は知っていなければ読めないんです。

件の動画を見て、英検一級は単語が難しすぎて意味がない試験だとTwitterに書いてる人達は、英検一級に合格できないし、それをネイティブ様という最高の権威に言ってもらって喜んでいる人達です。そんなのを真に受けていたら、英語は読めるようにならないでしょう。

スキンヘッドのネイティブスピーカーも、動画を作った女の子も、それらの単語が英語で書かれた文章を読むためには普通に必要だということを恐らく知っていますが、そんなことは教えてくれません。動画の目的がそれを伝えるためではないからです。

英検一級程度の単語は、英語を読めるようになりたいなら覚えて無駄になるような単語はありません。あなたの目標が、英語で会話できるようになることでなく、英語の本や新聞で情報収集をしてついでに英検一級にも合格することならば、ミスリーディングな動画を見て喜んでないで、1個でも単語を覚えましょう。

Language Learning with Netflixは最高のアプリ

最近、Language Learning with Netflixというツールを使ってNetflixを見るのにハマっています。

ここから取得できます。

これはGooglechromeの拡張機能で、無料でインストールできるツールです。

これを使うと、2か国語の字幕を表示しながらNetflixを見ることができます。つまり、英語字幕を見ながら同時に日本語字幕を表示して、答え合わせをしながらドラマや映画を見ることができるわけです。

または、英語字幕で勉強しながら、日本語字幕でストーリーを掴むという使い方もできます。英語字幕で動画を見るのは勉強には良いけど、さすがにストーリーが分かんないとつまらなくなって続かないですからね。

機能はそれだけじゃなくて、動画のスクリプトを、発話6回分ぐらい、画面に表示してくれます。聞き取れなかった前の台詞が何だったか確認できるし、シャドーイングの教材補助にもできるでしょう。何て便利なんだ!!

もちろん英語以外の言語にも対応していて、私はスペイン語と日本語の字幕を同時に出しながら見ています。

もともとNetflixは緩い勉強に向いたツールでしたが、この拡張機能を使って、より効率を高めていくことができるでしょう。

パソコン版のGooglechromeの拡張機能なのでiPadやiPhoneで使えないのが残念ですが、わざわざパソコンを起動してNetflixを見るほどの価値はあります。またこれは百聞は一見に如かずなので、実際に使ってみるといかに凄いものかが分かると思います。是非一度お試しを!

英検1級に合格しました

しばらくTOEICを受けずに英検1級を受験していました。

そしてついに今日、合格しました!!

初めて英検1級を受けたのが7年前で、それから4回落ちました。4回目は一次試験は合格しており、二次はまあ楽勝だろうと思っていたらあっさり二次で落ちてしまいました。二次は面接なので、落ちた時の精神的ダメージは一次よりでかいですね。

これでようやくTOEIC対策に戻れます。でも受験するためにはまず、抽選に当たらないといけないという……。

第246回TOEIC 結果発表

今日は第246回TOEICの結果発表の日でした。

私のスコアは

L 470
R 480
Total 950

でした。私のベストスコアは955なのでこれはベストではないのですが、私の中の感覚では大きく進歩した回になりました。

リーディングで480を取るのは、かなり難しいことだと思います。リスニングで495取るより遥かに難しいと思います。

今回の試験ではリーディングで4分時間が余り、見直す時間もありました。今までかならず時間が足りなくなっていたことを思うと格段の進歩です。

TOEICで満点を取るまでには、

  • リスニングで495点を取る
  • リーディングで最後まで辿り着ける
  • リーディングで495点を取る
  • リスニングとリーディングで同時に495点を取る

という段階を踏むと思っています。この、2つ目の段階までようやく来ました。やっと、「TOEIC満点を目指している」と人に言えるぐらいまで来たと思います。

今年はそろそろTOEIC満点を取りたいです。みなさんも頑張っていきましょう。

第246回TOEIC 感想

1年半ほど間が空きましたが、久しぶりにTOEICを受けて来ました。以下、個人的感想です。主に試験中のトイレの話です。

今回は、試験前のドーピングに新たな試みを取り入れてみました。試験の直前にカフェインドリンクを飲むと試験中にトイレに行きたくなるので、今までは朝10時ぐらいにドリンクを飲んでいました。しかしこれでは試験のピークタイムの午後2時ごろにはカフェインの効果が切れています。そこで今回は、試験の直前に、水分は少ないけどカフェインが強いタイプのドリンクを投入してみました。

強強打破というドリンクです。これはカフェイン150mgもあるのですが僅か50mlの飲み物なので、そもそも尿意の元となる水分を摂りすぎないので試験中ぐらいは耐えられると思ったのです。

しかし、全く耐えられませんでした。リーディング開始直後に既にトイレに行きたくなりましたね。

しかも試験監督のおじいちゃんがなかなか巡回に来てくれず、行きたい時にトイレに行けずになかなか厳しいものがありました。トイレが気になると集中力も下がりますしね。

無事にトイレに行ってからは強強打破の効果もあり、絶好調で、なんとリーディングで時間が4分も余りました。トイレでロスしたのは1分ぐらいなので、そもそも試験中にトイレに行く前提で強いドリンクを試験直前に飲むのが私の最適な戦略かもしれません。

リーディングの会心のできとは裏腹に、リスニングが不調でした。Part3で捕まった感があります。

近年のTOEICはとにかくリーディングが難しい印象でしたので対策もほぼリーディングしかしなかったため、リスニングでやられてしまいました。リスニングも油断できない進化を遂げていると思います。

次はいつ受けられるか分かりませんが、引き続き満点目指して受験していく予定です!

英語は3語で伝わります【どんどん話せる練習英文100】のレビュー

この世界にある英会話の教材として最高なんじゃないか?と思える本を見つけましたので紹介します。

以前に同著者の、この本の前編にあたる本のレビューを書きました。

参考:『会話もメールも英語は3語で伝わります』のレビュー

前編は3語で英語を組み立てるというコンセプトを丁寧に説明した素晴らしい本でしたが、今回の『練習英文100』の方は実戦的な例文が多数掲載されていて秀逸でした。

日本人が英語を頑張って勉強して、ロイヤル英文法の文法を理解して英単語もめっちゃいっぱい覚えても、それだけでは我々は自然な英語を話すことができません。そういう従来の勉強はすればするほど、日本語を英語に翻訳する能力が上がっていくため、むしろむりやり日本語を英語に訳したようなギクシャクした英語を話す度合いが深まります。英語と日本語は文の組み立て方の発想が全然違うからそういうことになるんですね。

この本は、英語的な文の組み立て方を多数の例文で教えてくれます。そのどれもが、3語の英語をベースにしており、シンプルかつ明確に相手に言葉を伝えることができる英文です。特に私は通訳案内士という仕事をしているため、英語で色々なことを伝えなければなりません。その際、この本に載っている例文は本当に使えるものがそろっています。基本を書いたような本でありながら、プロも得るものが多いという素晴らしい本です。

例えば私は以下の例文が気に入りました。

A five-minute walk will take you to the station.
We see so many people.
We value quality.

まず1つ目の例文ですが、時間がかかると言う時、it takes とかよく言ってしまいますが、よく考えたらitが主語に出てくるのは分かりにくいです。それより無生物主語を使った方が英語的で、かつ慣れると分かりやすいです。たぶん英語のネイティブにも分かりやすいはず。

2つ目は、日本語の特性である「ある、いる」という表現を英語にするとthere are とすぐ言ってしまうのですが、よく考えたら見る、見ないで表現できるんですよね。この方がシンプルでしょう。気に入りました。しかも通訳案内士の仕事でかなり使えます。

最後の1つ、~が大事だと思う、はすぐにit is important that と言ってしまいます。日本語がそうなっているからです。しかし、valueという単語を動詞として使えば、3語のシンプルな英語で表現できます。私はstressとかhighlightとかを同じように使っていましたが、valueも良いですね。

というように、この本を一通り読めば、シンプルかつ非常に英語らしい英文を組み立てられるようになります。本当に良書です。世にある英会話本と言うと、ネイティブが使うイディオムとか句動詞がリスト化されているだけのものが大半ですが、この本は原理原則から演繹的に展開していくという点が素晴らしかったです。まさに凡百の他の本とは一線を画す内容でした。

「3語で伝わります」というタイトルが煽りっぽいので、それに期待して買った人が英文が3語じゃないとか言って怒ってAmazonのレビューで低評価を付けそうなのが残念ですね。陳腐なタイトルですが、内容は素晴らしいので買いましょう。

『英文解体新書』のレビュー

最近、凄く良い本を読んだので紹介します。

『英文解体新書』 北村一真

伊藤和夫の英文解釈教室に似た、構造を解釈するのが難しい英文の実例を挙げて、読み方を解説している本です。

挙げている例文はスティーブン・ピンカーや、バートランド・ラッセル等の哲学的な文章や、カズオ・イシグロ、エドガー・アラン・ポーの小説から引用されており、レベルが高いです。日本の英語教育は読み書きが中心だから日本人の英語読解力は高いという言説を聞きますが、難しい大学受験に合格するために英語を勉強し、大学に合格した後に、いざピンカー等の書いた英語を読もうとすると、問題にぶち当たります。全然読めないんですよね。

なぜ英語が読めないかについて、単語力が足りないからだと言う人は多いです。しかし私はこれは間違いだと思います。何故なら辞書を使いながら読んでもそれらの英文の意味が分からないからです。

なぜ英語が読めないのかは、英文の構造が掴めないからだと思います。我々は高校で5文型の考え方を学びます。確かにこれは有効で、これを意識的にでも無意識的にでも分かってないと話になりませんが、この5文型というのは、英文の構成要素の説明をしているだけで、動詞や目的語など各要素の順番の変更については触れてないんですね。SVとかSVOとか習うけど、実際はSから始まらない英文も多いのです。

この本では、そのようにどれがSVOなのか判別するのが難しい文章を体系立てて説明しています。倒置や挿入、省略などについて触れている本はたくさんありますが、この本はなぜ倒置するかということまで説明した上でパターンを挙げて説明しているので、理解しやすかったです。

加えて圧巻なのが、本の終盤に、「破格的な構造」という章があることです。これは、従来の英文法としては間違っている文の読み方を解説した章です。それらは間違っているわけですが、英語で書かれた本を読んでいれば、よく見る構造の文だったりします。難しめの英文を読もうとすれば、文法的に間違った構造さえ読み解かなければならないというのは途方も無い話で、それを丁寧に解説していくこの本は素晴らしいと思いました。

伊藤和夫の英文解釈教室は私は途中で挫折してしまいましたが、この本は難しい割に理解しやすく、最後まで読むことができました。

かなりオススメの本です!特に、とにかく英文を読みたいから読む力をつけたい、と思っている人にオススメします。最近は英語力と言うとしゃべれるか否かばかりが注目され、まさに英会話至上主義が蔓延っています。そういうのと気持ちいいぐらい逆行して、今こそ徹底的に英語を読んでみるのも良いと思います。

『英語は逆から学べ』のレビュー

10年ぐらい前に出版された本で、煽情的なタイトルだったため長いことシカトしていた英語学習本があります。

著者の苫米地英人という人は、脳関係の本や自己啓発本を大量に出版しており、怪しさ満点です。しかしまぁ、自信のトンデモ理論にいくらかの真実を混ぜて本にしているので、全てを否定するのもまたナンセンスだと思います。

この本の内容ですが、英語を逆から学ぶとは、以下のような意味でした。

母国語を覚えるのと同じ方法で英語を学ぶべきである。従って文法学習はムダ。1つの海外ドラマを1話から最終話まで繰り返して字幕無しで見る。シャドーイングもする。日本語を介さないで意味をイメージしながら見る。次の単語を予想しながら見る。

方法論を並べてしまうと以上で終わりです。あとは、それっぽい理論が延々と述べられています。この方法論がどの程度科学的に正しいのかはよくわかりませんが、チョムスキーの生成文法とか引用していて、割りと本格的な雰囲気は出していました。

で、海外ドラマを見るというのがこの人が主張する唯一の学習法です。なーんだ、海外ドラマか。って思う人が多数だと思います。最近は猫も杓子も海外ドラマで英語を覚えましたって言ってるから、もはや常識過ぎる方法論かと思います。

しかしこの本が出たのは2008年ですから、ネットフリックスやHuluが無く、まだ媒体はDVDの時代でした。その時代に、ここまで具体的に海外ドラマを使った学習法を提示していたのは、かなり先進的な本だったと言えるのではないでしょうか。この本に書いてあることが当たり前だと思ってしまうこと自体、この本の理論が一般に浸透した証拠であるとも言えます。

と、いうわけで、海外ドラマを見ろというだけの話なので、私が書いたこのブログ記事だけ読めば充分ですが、この本は良い本でした。

『出る単特急 金のセンテンス』のレビュー

お待ちかね、TEX加藤先生のTOEIC本の決定版になりそうなこの本を紹介します。

説明不要の名著『金のフレーズ』の見出し語になっている単語を、360個の例文の中に盛り込んだ例文集です。例文を暗記すればTOEIC最重要単語の1000個を覚えられます。

この形式の単語集は何かに似ていると思いませんか?

そう、DUOです。

例文に重要単語を盛り込んでいるので例文を暗記するだけで覚えるべき単語を覚えることができ、しかも文の中で覚えるので単語の使い方も一緒に覚えることができるというあの本です。この本は売れ過ぎたため、猫も杓子もDUO、って感じの伝説の名著です。

『金のセンテンス』はTOEIC版のDUOとでも言うべき本です。私もまずは通読してみましたが、例文のできが素晴らしいです。まさにTOEICに出そうな文章ばかりで、芸術品です。これを音読や暗唱したら、相当にTOEICのスコアは上がるでしょう。

また、この本は、一般的なビジネス英語を学ぶのにも最適です。見出し語の1000語は、本当に実用的な英語として汎用性が高い単語ばかりです。これを覚えれば、身の回りのことやビジネスに関連することを英語で表現する力がかなり上がります。私は通訳案内士の仕事をしていて、よくTOEICに出てくる単語を使って英語を話しますが、それはTOEICの単語がかなり使いやすいからです。

しかしお手軽なTOEIC本と見せかけて、かなり重厚な作りになっています。私は単に通読するだけで、3か月もかかりました。まぁサボりながらやっていただけではありますが。

とにかく、TOEIC対策の決定版と言える本が出ました。ひたすらこれを暗記して、TOEICスコアも英語力も上げてしまいましょう!

オススメの完全ワイヤレスイヤホンを紹介

AppleがAirPodsという商品を出してから、この世に「完全ワイヤレスイヤホン」なる物が誕生しました。

それまでのワイヤレスイヤホンと言うと、スマホやiPodに繋ぐコードは不要だけど、右耳と左耳を繋ぐコードはありました。ワイヤレスじゃないじゃん、という突っ込みも可能なのですが、スマホと繋がなくて良くなっただけでかなり快適だったため、ほとんどの人は満足していたと思います。

しかし新たな商品を発明するAppleは、全くコードが存在しないイヤホンという物を作りました。耳の穴にイヤホンが入ってるだけで、どうして落ちないの?と問いたくなるような商品でした。これです。

これはコードのわずらわしさから完全に開放してくれる素晴らしい商品です。しかしAppleの製品だけあって高い。そこで私は、安物の、似たような商品を買いました。こちらです。SoundPEATSという商品です。

AirPodsが世に出てから、怪しい中国系のメーカーが類似品を出しまくりました。Amazonのレビューを見ると、不良品だったという書き込みが散見されますので、正直どれを買ったら良いか悩んでいる人も多いと思います。かと言ってAirPodsは高いので買いたくないでしょう。

soundPEATSを1か月ほど使ってみましたが、今のところ問題無く使えています。耳の穴から落ちたことは一回だけありました。でもしっかり耳に装着していればほとんど落ちません。4,000円で買える完全ワイヤレスイヤホンというだけでかなり魅力的な商品ではないでしょうか。語学学習をしている人ならば、快適なリスニング環境は必須だと思います。オススメの逸品です!!