こんな本をネットで見かけました。
『会話もメールも英語は3語で伝わります』
3語で伝わるわけないだろ、嘘つくな!
と思いました。
だいたい最近はこういう、人を煽ったタイトルの本が多すぎます。特に英語学習本に多いです。書店の英語本コーナーに行くと、英語は勉強するなとか聞き流すだけで話せるとか7日でTOEIC800点取れるとか、そんなタイトルの本ばかりが並んでいます。
ふざけてますね。
これらの本は、中身の薄い本が多いですが、中には意外とまともな本もあります。後者の場合、著者の人は英語に相当な労力を使って来た人で、熱いパッションを持って本を書いて、英語学習で困っている人に大事なことを伝えたい、というケースがあります。しかし本のタイトルは3日で分かるとか、陳腐なものが多いです。
これは、出版社が悪いですね。本を売るために釣りのタイトルばかりつけるわけです。
英語とは関係ありませんが、新書コーナーもふざけたタイトルばかりで、売れた本のタイトルをパクって、「○○力」とか「頭が良い人悪い人の~」とか「○○の品格」という本が並ぶという茶番が繰り広げられています。
まあでも、そういうタイトルに釣られて本を買う人が多いんでしょうね。
そして著者の人も出版してもらうためには出版社の意向を飲むしかなかったりします。
「本のタイトルは編集者に無理やり変えられた」
という話をよく聞きます。出版社、読者、著者の、どうしようもない三平方の定理ですね。
さて、前置きが長くなりましたが、『会話もメールも英語は3語で伝わります』は、良書でした。
3語で伝わるというのは恐らく編集の人がつけた煽りのタイトルで、著者が伝えたかったことは、
SVOの文型の英語を話しなさい
ということです。3語だけでセンテンスを作れなんて書いてありません。
我々日本人はbe動詞を多用しがちですが、ネイティブは一般動詞を多用し、動きのあるセンテンスを話すことが多いらしいです。
これは、日本語の影響をうけているのだと思います。日本語は、「私は○○です」という形の文を多用します。そのせいで我々は英語を話す時も I am や It is の文章を使いがちです。
これは文に動きが無くて、完結なセンテンスになりません。例えば、職業を聞かれたらその返事に
“I am an English teacher.”
と言うのではなく
“I teach English.”
と言った方がシンプルで伝わりやすい英語になります。aとかtheとか付けなくて良いので冠詞の間違いも減りますね。
この本のメッセージは、SVOの文型を基本として英文を組み立てよう、ということです。私は通訳案内士という英語を話す仕事をしているので、さっそくそれを意識してみましたが、以前よりも英文を組み立てやすくなったという実感があります。
英語のスピーキングに関して、この本は文の作り方を根本的に変える破壊力を持っています。
変な煽りタイトルが残念ですが、中身は良い本なので是非読んでみてください。