10年ぐらい前に出版された本で、煽情的なタイトルだったため長いことシカトしていた英語学習本があります。
著者の苫米地英人という人は、脳関係の本や自己啓発本を大量に出版しており、怪しさ満点です。しかしまぁ、自信のトンデモ理論にいくらかの真実を混ぜて本にしているので、全てを否定するのもまたナンセンスだと思います。
この本の内容ですが、英語を逆から学ぶとは、以下のような意味でした。
母国語を覚えるのと同じ方法で英語を学ぶべきである。従って文法学習はムダ。1つの海外ドラマを1話から最終話まで繰り返して字幕無しで見る。シャドーイングもする。日本語を介さないで意味をイメージしながら見る。次の単語を予想しながら見る。
方法論を並べてしまうと以上で終わりです。あとは、それっぽい理論が延々と述べられています。この方法論がどの程度科学的に正しいのかはよくわかりませんが、チョムスキーの生成文法とか引用していて、割りと本格的な雰囲気は出していました。
で、海外ドラマを見るというのがこの人が主張する唯一の学習法です。なーんだ、海外ドラマか。って思う人が多数だと思います。最近は猫も杓子も海外ドラマで英語を覚えましたって言ってるから、もはや常識過ぎる方法論かと思います。
しかしこの本が出たのは2008年ですから、ネットフリックスやHuluが無く、まだ媒体はDVDの時代でした。その時代に、ここまで具体的に海外ドラマを使った学習法を提示していたのは、かなり先進的な本だったと言えるのではないでしょうか。この本に書いてあることが当たり前だと思ってしまうこと自体、この本の理論が一般に浸透した証拠であるとも言えます。
と、いうわけで、海外ドラマを見ろというだけの話なので、私が書いたこのブログ記事だけ読めば充分ですが、この本は良い本でした。