英語は3語で伝わります【どんどん話せる練習英文100】のレビュー

この世界にある英会話の教材として最高なんじゃないか?と思える本を見つけましたので紹介します。

以前に同著者の、この本の前編にあたる本のレビューを書きました。

参考:『会話もメールも英語は3語で伝わります』のレビュー

前編は3語で英語を組み立てるというコンセプトを丁寧に説明した素晴らしい本でしたが、今回の『練習英文100』の方は実戦的な例文が多数掲載されていて秀逸でした。

日本人が英語を頑張って勉強して、ロイヤル英文法の文法を理解して英単語もめっちゃいっぱい覚えても、それだけでは我々は自然な英語を話すことができません。そういう従来の勉強はすればするほど、日本語を英語に翻訳する能力が上がっていくため、むしろむりやり日本語を英語に訳したようなギクシャクした英語を話す度合いが深まります。英語と日本語は文の組み立て方の発想が全然違うからそういうことになるんですね。

この本は、英語的な文の組み立て方を多数の例文で教えてくれます。そのどれもが、3語の英語をベースにしており、シンプルかつ明確に相手に言葉を伝えることができる英文です。特に私は通訳案内士という仕事をしているため、英語で色々なことを伝えなければなりません。その際、この本に載っている例文は本当に使えるものがそろっています。基本を書いたような本でありながら、プロも得るものが多いという素晴らしい本です。

例えば私は以下の例文が気に入りました。

A five-minute walk will take you to the station.
We see so many people.
We value quality.

まず1つ目の例文ですが、時間がかかると言う時、it takes とかよく言ってしまいますが、よく考えたらitが主語に出てくるのは分かりにくいです。それより無生物主語を使った方が英語的で、かつ慣れると分かりやすいです。たぶん英語のネイティブにも分かりやすいはず。

2つ目は、日本語の特性である「ある、いる」という表現を英語にするとthere are とすぐ言ってしまうのですが、よく考えたら見る、見ないで表現できるんですよね。この方がシンプルでしょう。気に入りました。しかも通訳案内士の仕事でかなり使えます。

最後の1つ、~が大事だと思う、はすぐにit is important that と言ってしまいます。日本語がそうなっているからです。しかし、valueという単語を動詞として使えば、3語のシンプルな英語で表現できます。私はstressとかhighlightとかを同じように使っていましたが、valueも良いですね。

というように、この本を一通り読めば、シンプルかつ非常に英語らしい英文を組み立てられるようになります。本当に良書です。世にある英会話本と言うと、ネイティブが使うイディオムとか句動詞がリスト化されているだけのものが大半ですが、この本は原理原則から演繹的に展開していくという点が素晴らしかったです。まさに凡百の他の本とは一線を画す内容でした。

「3語で伝わります」というタイトルが煽りっぽいので、それに期待して買った人が英文が3語じゃないとか言って怒ってAmazonのレビューで低評価を付けそうなのが残念ですね。陳腐なタイトルですが、内容は素晴らしいので買いましょう。

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