ロバート・ヒルキ氏講演会の感想

ロバート・ヒルキ氏の講演会に行ってきました。ロバート氏と言えば私も『直前のテクニック』でTOEIC勉強を始めた人間なので、まさに恩人でした。

TOEICの権威として知られるロバート氏ですが、今回はTOEICで点を取るための講演ではありません。

“JAPAN THROUGH THE EYES OF A LONG-TERM FOREIGN RESIDENT” というタイトルで、異文化理解についてレクチャーするものでした。実はこちらがロバート氏の専門分野のようでした。TOEICの専門家だと思ってましたよ。

メインテーマとしては、日本の文化はhigh context cultureと言って、コミュニケーションを取る時に、言葉よりも言外のメッセージが大事になってくるが、欧米の多くの国はlow context cultureで、はっきりと言葉で表されるメッセージが大事で、文化の違いを理解してコミュニケーションを図るべきだということでした。

こういう話は本で読むよりもロバート氏のような方から実感のこもった話を直接聞いた方が心に残って良いですね。今後、欧米人とコミュニケーションを取る時にも活かせると思います。

様々な文化があるという紹介の中で、インド人がなぜ噓をつくのかという話が面白かったです。

インド人に道を尋ねても、だいたい正しい答えが返って来ません。なぜ彼らは嘘をつくのでしょうか?

それは、何かを尋ねられて「知りません」と答えることが、間違ったことを教えるよりも不親切だという文化だかららしいのです。彼らは正しい道を知らない場合も、親切心から、自分で勝手に答えを作ってしまいます。

そんな嘘つきだらけでインド人はどうやってコミュニケーションしてるんだ!?と思いましたが、インド人同士は、そのコミュニケーションの間合いを分かっているので、相手が話を作り上げているのか、何となく分かるんだそうです。

んなアホな!!と思いましたが、日本人のコミュニケーションも、それぐらい難しいケースは多々あると思います。

例えばロバート氏が挙げていた、外国人が勘違いしやすい日本語は

「ちょっと難しいです」

「前向きに検討します」

です。前者は英語に直訳すると”a little difficult” ですが、実際の意味は、”No” でしょう。

後者は割と有名なお役所言葉で、体の良い断り文句ですよね。どちらも日本人なら意味を間違えることは無いと思います。しかしこれはかなり複雑なコミュニケーションですよ、実際。断る時にハッキリ断らないというのは日本文化の大きな特徴ですね。

というわけで、2時間に渡る講演でしたがロバート氏の話がめちゃくちゃ面白かったので、集中して聞き続けられました。本当に参加して良かったです。

コメントを残す