昨日、久々にこの本を読み返していました。
この手の英文解釈系の本では伊藤和夫の『英文解釈教室』という本が有名ですが、『英文解釈マニュアル』の方が分かりやすくて実用的だと思います。
やはりこの本の素晴しさは「新5文型」という考え方に行き着きます。新5文型とは、従来の5文型がSVOという最低限の要素だけを書いていたため実際の英文ではそんな文章は稀で実戦で役に立たないことから、その他の要素までを公式として盛り込んだ実戦的な5文型です。従来の5文型では「SV」として表現されていた文も新5文型では
イントロ S Sの説明 一般動詞 Vの説明
と表現され、そもそも英文はSではなくイントロという補足情報から始まることが多いという非常に重要な情報が示されています。
この新5文型を身につけると、
主語と動詞の出現を待ち構えながら英語を読んだり聞いたりする
ようになります。英語に限らず全ての言語は、主語と述語を繰り返しながら何かを伝える構造を持っています。例えばこれらの例文も
- 車が赤い
- 子供が走る
- 寝る前に(私たちは)歯を磨くべき
全て、「〜は〜だ」「〜は〜する」という構造を持っています。
外国語を読んでいると、どれが主語でどれが述語か分からないという状態に頻繁に陥ります。それが、文が分からないという状態の原因です。英文解釈のコツは、主語と述語をしっかりと認識することです。
英語の場合は主語と動詞を探すことになります。上の例の日本語だと「車が赤い」という文は動詞がありません。日本語にはbe動詞がありませんから、主語の次に助詞が来て形容詞が来るわけです。しかし英語ならば”the car is red”となり、形容詞を使った述語も、まずは動詞が来ます。述語を認識するためのコツが、動詞の出現を待つことになるわけです。
TOEICのPart5は、文構造を見抜く問題が、かなりの数出題されます。それは上記の主語と動詞をきちんと認識するための最高の練習になるでしょう。また『超・英文解釈マニュアル』はTOEICのPart5の対策としても最高の参考書となります。
主語と動詞を待ち構えるスタイルの確立は、英語力上達のための最重要課題ですね。