正しい英語の発音は存在しない

日本人はよく英語の発音について「正しい発音」とか「きれいな発音」という言い方をします。

「音読は正しい発音でしないと間違った発音を覚えてしまいます」

という音読についての注意喚起も聞いたことがあります。

でも、正しい発音っていったい何なんでしょうかね?非常に違和感があります。

大多数の日本人にとって正しい発音、きれいな発音、ネイティブみたいな発音というのは、アメリカ人のような英語だと思います。中学校で、Rの発音は巻き舌と習いました。確かにアメリカ英語では巻き舌です。そのせいでRの音が巻き舌になっている英語が正しい英語だと思っている人が多いです。

が、イギリス英語だと、Rは巻き舌になりません。waterもウォーターって発音します。カタカナ英語に近いです。

アメリカ英語とイギリス英語という代表的な2つの英語の発音は、かなり違います。アメリカ英語が正しい英語だと思っている人は、イギリス人がしゃべる英語は、発音が正しくないと思ってしまうかもしれませんね。

アメリカ人の英語が世界標準なのだからアメリカ英語こそが正しい発音だと思っている人も多いと思います。でも例えばTEDのスピーチで、非英米人が英語で話しているのを聞くと、どちらかと言えばイギリス英語に近い発音をしている人が多いです。アメリカ英語が世界標準というのは勘違いだと思います。

あと日本人の英語の先生とか英語ができる人って何故かやたらとアメリカ英語を上手く話すんですよね。これもアメリカ英語こそ正しいという妙な誤解を作っている要因かと思います。

TOEICのリスニングのナレーションはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの英語で構成されています。ではこの4つの英語がネイティブの英語だから、これらの英語に近い発音ならば正しい英語でしょうか?

そしたらインド人やメキシコ人の英語は正しくない英語ということになってしまいます。確かにネイティブと非ネイティブの違いはありますが、英語として意味が通じているんだから、正しくないということは無いと思います。また、別にインド人は自分たちの英語が正しいとか正しくないとか考えていないと思います。単に自分たちが英語だと思うものを話しているだけだと思います。

私は、もう正しい英語の発音が存在すると考えるのをやめたら良いと思います。あるのはアメリカ英語やイギリス英語、それにカタカナ英語にインド英語など、いろんな英語です。

私は通訳案内士という英語を話す仕事をしていますが、以前から、アメリカ人の真似をして英語を話すとアメリカ人以外には通じにくいということは感じていました。

参考:Global English とは何か?

これらの経験から、私はアメリカ人のような英語を話そうとすることをやめました。自分が最も話しやすい発音で英語を話すようになりました。カタカナ英語をベースに、アメリカ英語とイギリス英語が混ざったような英語です。どこの国でもない、無国籍の英語が完成しました。私のオリジナル英語です。

ただ、リズムや強弱は英語っぽいため、私の英語は通じます。完全にカタカナを読んでいるようなガチガチのカタカナ英語を話してしまうと、誰にも通じません。日本人以外には。

寿司屋でお客さんと英語で話していたら、店員に

「ネイティブみたいな英語ですね」

と言われましたが、私はいわゆるアメリカ人の英語を目指していないのでこれは間違いです。でもリズムが英語っぽいからそう聞こえてしまうんですね。

なので、英語のリズム、強弱は大切です。でも、巻き舌のRとか、aとeの中間の音とか、shとcの音の違いとかそういうのは気にしなくて良いと思います。

正しい英語の発音なんていうものは存在しないので、自分が話しやすい英語を堂々と話しましょう!日本人もインド人並に堂々とカタカナ英語を話したら良いと思います。

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