『キクタン 英語でコレ言える?【身のまわり編】』のレビュー

今日は軽めの本の紹介です。

昔、大学生だった時、推薦で入学した子が

「クラスメートがlettuceの綴りが書けなかった。英語の授業のレベルが低い」

と言っていました。それを聞いた私は、

「確かにレタスなんて書けないわ、そんな余計な情報で脳の容量無駄遣いしてたら一般入試で早稲田には受かんねーわ」

と思いました。

私は大学受験にしてもその後のTOEICや英検にしても、試験対策が好きなので、知ってる英語の語彙が偏っています。気付けば、「人差し指」も「まぶた」も英語で言えないことに気付きました。これでは、英語を実際に使ってコミュニケーションをする時に恥ずかしい思いをするような気がして、上記の本を買ったわけです。

この本は、そういう、幼児向けの早期英語教育に出てきそうな英単語が載っていて、私のような試験大好き野郎には良い勉強になります。

特に、音声は車の運転中に聞くのに適しています。ポッドキャストのニュースとか聞いてると英語のリスニングに集中して人を轢きそうになりますが、キクタンシリーズは単語を言った後に空白があるので、絶えず音声に集中することが無いので安全です。

ちょっといつもと毛色の違う方向性の英語教材ですが、英語を実際に使ってコミュニケーションするならば、なかなか意味のある本だと思いました!

『ポレポレ英文読解プロセス50』のレビュー

ここ1週間ぐらいは『ポレポレ』ばかりを読んでいました。

オススメ度(5段階) ★★★★★

この本は本当にオススメです。入試問題のような難しい英語の読み方を解説した本としては、応用の効きやすさが群を抜いていると思います。

解説は決して分かりやすくはありませんでした。ところどころ、どういう意味だ?と思うことがあります。しかし、自分でじっくり考えて、意味を理解した時に1段階読解力が上がります。

西きょうじ先生は、この本のはしがきで「入試英語はほとんどが類題にすぎない」と言っています。つまり、この本の50パターンをマスターすれば、あらゆる入試問題が読めるということです。

そして、大学入試問題は意外と実戦的だと私は思っています。ポレポレが洋書を読むための勉強として最適であることはこちらの記事に書きました。

今回、久々に大学入試の英文に触れてみて、やはり入試英語はゴチャゴチャしていて難解な構文を読ませるものが多く、TOEICとは違うと思いました。よってポレポレはTOEICの対策としては決定的な効果は得られないかと思います。しかし、根本的な英文の読み方を考えなおす本として、とてもオススメです。

こんな名著を今までスルーしてきたことを本当に悔やみましたね…。是非読んでみてください。

読みたい洋書を読めるようになるためにはどうしたら良いのか

英語学習の目的は人それぞれかと思います。会社で課長に昇進するためにTOEICで730点必要な人、東大に合格したい人、アメリカ人の美女をナンパしたい人、パッと思いつくだけで色んな理由があります。それだけ英語を学ぶメリットは多いということでしょう。複数目的がある人も多いかと思います。

私が英語を勉強する目的の一つに、洋書を読みたいというのがあります。もともと日本語の本を読むのは好きで、どうせ本を読むなら英語でやれば英語の勉強と読書が同時にできるぞ、と思ってからずっとそれを目指しています。

洋書を読めるようになるためにはどうしたら良いでしょうか?

村上春樹や茂木健一郎なんかは、いきなり原書を読めと言います。私ももちろん挑戦してみました。当時は日本でKindleが発売されていなかったため、アメリカのAmazonから取り寄せて、興味のある本をダウンロードして読みました。

しかし、本物の洋書は難しく、すぐに挫折しました。Kindleは古典のありがたい本は特に、タダだったりタダみたいな値段だったりするので、挫折するたびに他の本をダウンロードしてトライしてました。

それが溜まっていって、今までに100冊ぐらいダウンロードしました。でも全部読みきったのは10冊ぐらいしかないです。自己啓発やビジネス書は読みやすかったので最後まで読めましたが、ちょっと高度なことを書いた本はもう無理でしたね。で、私としてはやっぱりそういう高度な本を読みたいわけです。例えば、『資本論』みたいな本が読めないのはまだ分かるんですが、特別高度な本では無いハズの、

邦題『ワーク・シフト』という本ですが、この本すら何か読みにくいと感じて、あまり意味を理解して読めないんですよね。村上春樹や茂木健一郎のように

「いきなり洋書を読め」

と言う人のアドバイスがアテにならないのは、彼らがある種の天才だからです。普通の人は読むための勉強をした方が良いです。

私は並行して英語の勉強は続けていました。しかし、TOEICで950点を取れた今も、自分が読みたい洋書は満足に読めません。私が読みたい英語とTOEICの間には大きな隔たりがあります。

ところが最近、『ポレポレ英文読解プロセス50』

を読んでいたら、これこそ私が読みたいと思っていた英語の読み方を解説した本なんじゃないかと思いました。倒置、挿入、強調構文、関係代名詞が多様されていて、ゴチャゴチャしたパズルみたいな英文です。そういえば大学受験の時に勉強していたのはこういう英語でした。

今、私が買っては挫折している洋書も、構文が分からず、いつもつまづきます。よく英語は語彙力だと言いますが、Kindleで読んでいるので分からない語彙はタッチすれば単語が出てくるのに、それでも読めないんです。だから英語は語彙力じゃなくて、文の構造を掴む力の方が大事だと思います。それを解説した本は、大学受験の参考書が最高です。というか入り組んだ難しい英語の解釈の仕方を解説した本なんて、大学受験の参考書しか無いんじゃないでしょうか。しかも、前提として初見の入試問題を解けるようにするための本だから、応用が利くように普遍的法則を解説しています。

というわけで、自分の読みたい洋書を読むためには大学受験英語という原点回帰が必要だという結論に達しました。ポレポレ、英文解釈教室、ともに読み込んでいこうと思います。

英文解釈教室とポレポレ英文読解50

一年ぐらい前に英文解釈教室を購入し、すぐに挫折しました。

この本は難しすぎです。当時でもTOEICは900点超えていましたが、これに出てくる英文はサッパリ分かりません。解説を読んでもなかなか理解できません。倒置と挿入が大量にあり、パズルみたいな英文なんですよね。ギブアップしました。

最近、英検1級の勉強をしていて読解が弱いな……と思ったので、英文解釈教室を再開しようとしたのですが、類書で評価の高いポレポレが気になっていたので、こっちも買ってみました。受験参考書はバイブル的な本が安いのが良いですね。

これは英文解釈教室とかなり似ていると思いました。例文が難しすぎます。そして、解説も難しい…。英文解釈教室の解説よりも読みやすいんですけど、それは理解しやすいこととはまた別なんですよね(英文解釈教室の解説が読みにくすぎる)。

どちらも即時ギブアップ必至の激難問題集ですが、ポレポレはまだ救いがあると思いました。本が薄いからです。とりあえず流してでも読めそうな分量なんです。これはありがたい。英文解釈教室は分厚くて心が折れます。

この2冊はやけにゴチャゴチャした変な英文ばかり出てくるので、入試問題に特有であって、実際の英語とかけ離れていると言う人も居るかもしれませんが、そんなことはありません。洋書を読むと、英文解釈教室やポレポレの例文を読んでいる時と同じ気分になります。洋書の英文も、非常に文構造が掴みにくいです。英文解釈教室と似ています。

よって、実用的な英語を身に付けるうえで、どちらも凄く効果的な本だと思います。

ポレポレはまだ読んでみようって気分になるので、当面は英検1級対策としてポレポレに取り組んでいきます。

The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition”の感想

オススメ度(5段階) ★

今度の6月、また英検1級を受けようと思っています。英検1級に関しては私は2年前に受験しており、けっこう対策しました。合格できませんでしたが…。

語彙がキーになると思い、語源で学ぶ語彙系の本を読んでみました。

調べていくと、語源系の語彙本は印欧語根という切り口を使って語源を説明していることを知りました。印欧語根とは、あらゆるヨーロッパ系の言語のもととなった仮想言語である印欧祖語という言語の、語根です。語根を知っていれば、未知の単語でもパーツの組み合わせから意味を推測できるだろうと考えたわけです。

で、アメリカ人向けのそういう本に挑戦しようと思って買ったのが、”The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition”というわけです。

流石にこの本はレベルが高すぎました。背伸びをしすぎたようです。私程度の英語力では参考になることはほぼ無く、本棚で眠っています。こういう学習法は、度が過ぎると、「覚え方を覚える」のが難しくなってしまい、逆効果になることが往々にしてあるのですが、この本を読むこと自体ものすごく大変で、まさにそんな感じでした。

印欧語根から語源を説明した本なら、もっとマイルドで楽しい本が出ています。

こちらの本も、古いですがシンプルで悪く無いです。

TOEIC対策にも使えそうな洗練された本ならこちら。

語源で暗記する単語の本は、一冊は読んでおくと良いと思います!ただしThe American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition以外で!

主語と動詞の出現を待ち構える

昨日、久々にこの本を読み返していました。

この手の英文解釈系の本では伊藤和夫の『英文解釈教室』という本が有名ですが、『英文解釈マニュアル』の方が分かりやすくて実用的だと思います。

やはりこの本の素晴しさは「新5文型」という考え方に行き着きます。新5文型とは、従来の5文型がSVOという最低限の要素だけを書いていたため実際の英文ではそんな文章は稀で実戦で役に立たないことから、その他の要素までを公式として盛り込んだ実戦的な5文型です。従来の5文型では「SV」として表現されていた文も新5文型では

イントロ S Sの説明 一般動詞 Vの説明

と表現され、そもそも英文はSではなくイントロという補足情報から始まることが多いという非常に重要な情報が示されています。

この新5文型を身につけると、

主語と動詞の出現を待ち構えながら英語を読んだり聞いたりする

ようになります。英語に限らず全ての言語は、主語と述語を繰り返しながら何かを伝える構造を持っています。例えばこれらの例文も

  • 車が赤い
  • 子供が走る
  • 寝る前に(私たちは)歯を磨くべき

全て、「〜は〜だ」「〜は〜する」という構造を持っています。

外国語を読んでいると、どれが主語でどれが述語か分からないという状態に頻繁に陥ります。それが、文が分からないという状態の原因です。英文解釈のコツは、主語と述語をしっかりと認識することです。

英語の場合は主語と動詞を探すことになります。上の例の日本語だと「車が赤い」という文は動詞がありません。日本語にはbe動詞がありませんから、主語の次に助詞が来て形容詞が来るわけです。しかし英語ならば”the car is red”となり、形容詞を使った述語も、まずは動詞が来ます。述語を認識するためのコツが、動詞の出現を待つことになるわけです。

TOEICのPart5は、文構造を見抜く問題が、かなりの数出題されます。それは上記の主語と動詞をきちんと認識するための最高の練習になるでしょう。また『超・英文解釈マニュアル』はTOEICのPart5の対策としても最高の参考書となります。

主語と動詞を待ち構えるスタイルの確立は、英語力上達のための最重要課題ですね。

英語学習本はこれで決まり

英語学習ブームの盛り上がりは停滞することを知らず、年々その熱は高まっているように思います。書店に行けばTOEIC対策本は平積みされ、その横には、

「どうやって英語を身につけるか」

ということを書いた、いわゆる英語学習本が跋扈しています。

3ヶ月でTOEICで400点上がったとか偏差値40から同時通訳者になったとか、怪しいストーリーがこれでもかと並んでいますよね。それらは胡散臭い例ですが、同じジャンルの本に、音読は500回繰り返すべし、みたいな硬派な本もあり、精神論と言えなくも無いものの確かに500回も音読すれば効果はあるでしょうから正しいことを言っている本もあります。

英語学習本は私もいくつか読んで来ましたが、この1冊は別格に読む価値があるように思えます。

シャドーイングと音読の科学

内容は以前にこのブログで紹介しましたので、こちらの記事をご覧ください。

音読500回は英語習得のためにおそらく正しい方法ですが、やはりどこか精神論っぽさがあるんですよね。そのせいでなかなか取り組めないという理論派の人も居ると思います。

『シャドーイングと音読の科学』は科学的根拠を示し、圧倒的な説得力を以て我々を音読に取り組む気分にさせてくれます。

ただ、この本の科学すらも若干、根拠に乏しくオカルトの範疇を出ないような気もします……。まぁ、他の凡百の英語学習本より説得力があることは間違い無いです。

『英文解釈教室』が難しい

この前、かんべやすひろ先生の『学校で絶対教えてくれない 超英文解釈マニュアル』について書いたところ、友人から

「英文読解が好きなら伊藤和夫の英文解釈教室を読むべき」

という指摘をいただきました。

『英文解釈教室』は大学受験用の英語参考書としてバイブル的な地位の本です。私は大学受験時代、全く読みませんでしたが。

今回友達に勧められて、早速買って読んでみました。

英文解釈教室 改訂版

この本、凄く難しいです。英文の構造を読み解く訓練をする本なのですが、出てくる例文が、とにかく複雑です。一筋縄では読めない。TOEICより全然難しいです。苦戦しながら読んでおります。

読み終わったらまた詳しく感想書きますね。

『学校で絶対教えてくれない 超英文解釈マニュアル』のレビュー

超・英文解釈マニュアル―学校で絶対教えてくれない かんべ やすひろ著
オススメ度(5段階) ★★★★★

この本は素晴らしい内容でした。英文を読む時に必要な脳の働きを上手く説明している本です。

いわゆる5文型という考え方は、高校で習う英文法の中では最も大事なものではないでしょうか?

文法の教科書の最初に載っている単元ですが、生徒の多くは、ふーん、で済ましてしまいます。そして仮定法過去とか比較級で多くの勉強時間を割いてしまう。しかし特に長文読解する時に、最も重要な文法事項は間違いなく5文型でしょう。生徒は大事な5文型を理解する前に些末な文法の暗記に時間を取られてしまっています。

そしていざ長文読解の授業では、SだとかVだとかOだとか、教師が呪文のように説明をします。どれがSでVでOなのかは分かったから、どうやってそれを見分けるのか教えてくれ!と思った方は多いんじゃないかと思います。

この本は、どれがSでVでOなのか見抜く方法を説明した本です。

まず、実際の英文は5文型の通りにはいかないことを説明してくれます。授業ではSVOCって習うのに、実際の英文はSから始まらないことがほとんどでですからね。その、Sの前の部分はこの本では「イントロ」と名付けられています。従来の文法書ではSVのみとされている文型も、この本の中では

イントロ S Sの説明 一般動詞 Vの説明

と定義し、Sの前後、Vの前後に「説明」が付くことを示しています。ちなみにVでなく一般動詞と書いてあるのはbe動詞文と区別するためです。

SやVという文の構成要素の、前からや後ろから「説明」が付くという説明は、大西泰斗先生の

ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 (Native speaker series)
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

と似ています。というか、英文の構造の見抜き方について同じ方法を、言葉を変えて説明しているのだと思います。良い本というのは内容が似るんですね。

このような、英文の読み方系の本は他にも多数出版されています。伊藤和夫先生の英文解釈教室や西きょうじ先生のポレポレなども、近い内容なのではないかと思います。まだ読んでないので分かりませんが。

こういう基本中の基本と言える内容は、やはり大学受験の参考書が最も発達してますね。ここまでの本質的な内容は、TOEICや英検対策を冠した本では絶対に学べません。量をこなして英語に慣れるには最適な本が多いですが、一冊丸々使って基本原則を説明する本は受験参考書ならではです。

量をこなす前に、是非こういう理論系の本を何度も読んで、文の構造についてじっくり考えてみると良いと思います。

『英語の語源辞典』のレビュー

今日は語源について書いた本を紹介します。

英語の語源事典―英語の語彙の歴史と文化
オススメ度(5段階) ★★

英検1級の勉強を始めたころ、膨大な量の単語に圧倒されて、語源知識を身に付けて単語の意味を推測して解いた方が良いと思って読んでみました。

そしたら、内容が濃すぎましたね。学習書というよりは英語学の専門書のような内容でした。英語がいかにして伝わったか、語彙を身に付けてきたか、という話から始まり、各単語の語源に入っていくわけですが、ちょっとアカデミック過ぎます。神話の話も多数出てきます。

こういう話が楽しめる英語マニアの方にはオススメですが、TOEICの語彙の学習をしたいという方には全くオススメできません。

英検1級に関しては、多少は点数の足しになったかもしれません。英検1級の語彙はアカデミックですからね。

同じ語源の本だったら、これらの本がオススメです!

語源でたどる英単語まんだら

語源で覚える英単語3600