『ロッキー』シリーズの感想

先週、『シャドーイングと音読の科学』の要約を書きましたが、あれからと言うもの私の勉強は完全にシャドーイングと音読が中心になりました。次回3月のTOEICまで毎日続けます。

さて、今日は好きな映画についてでも書きます。私は英語の勉強を始めてから、洋画をよく見るようになりました。映画って長くて疲れるので小さい頃は嫌いだったのですが最近は映画ファンになりました。

好きな映画はと言うと、『ロッキー』シリーズです。ベタですね。ただ『ロッキー』はベタを極めた良さみたいなのがあります。

ロッキーの好きなところは、毎回トレーニングしてるシーンがあるところです。道を走ったり片手で腕立て伏せをしたり、階段を駆け上がったり、ロッキーがトレーニングしてるシーンがめちゃくちゃカッコ良いんですよ。

負け犬の毎日を送るロッキーが1回のボクシングの試合で人生を変えるためにトレーニングするシーンは、見てると自分も闘志が沸き立って来ます。無名の状態でチャンピオンと闘うことになり、晒し者にされるはずだったのが、大善戦をしてヒーローになるのは実に爽快です。同時にこの映画一本でビッグネームを手にするシルベスター・スタローンとも重なり、スタローンが現実で一発逆転をしているから、不思議とロッキーに対してもリアリティを感じてしまうんですよね。

今、私は負け犬です。行きたくない会社に毎日行っている。大人になると、毎日会社が楽しくて仕方がないという人はあまり居ないでしょうから、そういう意味では負け犬は多いです。

そんな負け犬の私たちが、頑張ろう、という気になるからロッキーという映画が大好きです。ハードなシャドーイングや音読に取り組む自分を、私はロッキーと重ねています。それをやってもロッキーのように人生を逆転できるというわけではないでしょう。でも、何もせずに人生を良くするのはもっと無理でしょう。だから英語をやりたいですね。

ところで洋画を見るのは英語の勉強のためでもありますが、ロッキーは英語の勉強にはあまり向かない映画です。主人公のロッキーの英語が物凄く聞き取りにくいのです。イタリア訛りという設定もさることながら、スタローンの滑舌が悪いんですよ。そういう役柄だからというわけなんですが。アポロやエイドリアンなど他のキャラの英語はとても聞き取りやすいです。

加えて、ロッキーの英語は文法的な誤りが多いのが面白いです。なぜかロッキーは正しくは You were と言うべきセリフで You was と言うのです。あと She doesn’t と言うべきところで She don’t と言ったり。中学校の英語の試験で書いたら点がもらえないような英語を使うのです。これはネイティブ的には、ある印象を持つと思います。日本人でも日本語の文法を間違えて話す人は居ますから、そういう風にロッキーを印象づけているのでしょうね。

『シャドーイングと音読の科学』のレビュー

英語学習においてシャドーイングや音読が効果的であるとはもはや一般的に言われていますが、何故効果的なのかは実際のところよく分かっていないと思います。ただ、安河内哲也先生みたいに実際に英語が物凄くできる人が音読は大事だと言うので、やっぱり効果があるのかな?と経験的に感じていました。年末のRed Bullさんのセミナーでも徹底的な音読が推奨されていましたし。

しかし、Twitterで出会うTOEIC満点取得者は、必ずしも音読推奨派ではなかったのです。あ〜るさんというTOEICで満点を何度も取ってらっしゃる凄い方のツイートで

少なくともTOEICのリスニングでは、本番当日に会場でやらされることは「答えを選ぶこと」だけです。声出しすることではありません。つまり本番に向けた実戦練習としては、答えを選ぶ練習をすれば十分なはずなんです。それがなぜか練習では、必ず声出しまでせよと言われる。謎と言えば謎です。

音読推奨派だった私は、あ〜るさんの発言で、ブレまくっていました(笑)確かに、TOEICは声を出さない試験です。だったら何故TOEICの対策で音読をが推奨されているのだろう?と。

私は音読の重要性を再確認するために、外国語習得における音読の重要性を科学的に説明した本を読んでみることにしました。やはり、何故やるのか?ということを理解したうえでやった方が良いと思うからです。 仕事でも、上司の命令に対してその効果に疑念を抱きながらやっていては成果は出せません。自分が納得して取り組んだ仕事の方が成果が出ませんか?

この本です。


オススメ度(5段階) ★★★★

以下、本の内容を要約していきます。大きく分けて3つの内容で説明します。

  1. シャドーイングをするとリスニング力が向上する
  2. 音読をするとリーディング力が向上する
  3. シャドーイングと音読をすると英語(外国語)を長期記憶しやすくなる

まずシャドーイングをするとリスニング力が向上することについて説明します。

リスニングという行為は、

音を知覚する→意味を理解する

という段階を経ます。母語の場合は知覚の段階が自動化されており負荷がほとんど無く、次のステップである理解に使う時間が充分に取れるため、容易にリスニングを行うことができます。しかし外国語の場合は音を知覚するだけで大きな負荷がかかります。すると意味の理解に使える時間が足りず、例えばTOEICで言えば次の音声が流れてきてしまい、聞き取りができない状態でテストが進行してしまいます。実際の英会話では相手に聞き返す必要が生じてくるでしょう。

シャドーイングは聞こえてきた音をそのまま発音する行為です。これは、音を知覚する行為を自動化するトレーニングになります。このトレーニングを徹底的に行うことにより、知覚が自動化され、意味を理解するために多くの時間を使えるようになります。つまりネイティブの聴覚処理に近づくことができます。

次に、音読をするとリーディング力が向上することについて説明します。この本では、音読とリーディングの関係は先ほど述べたシャドーイングとリスニングの関係とほぼ同じ論理で説明しています。

リーディングという行為は

ディコーディング(文字の解読)→意味を理解する

ディコーディングとはリスニングで言えば音を知覚する段階にあたります。具体的には

  • 文字を見て認知する
  • 知っている語彙として認識する
  • 文字を心の中で発音に変換する

という脳内の作業のことです。黙読していても、大抵の場合は心の中で文字を発音していると思いますので、文字を心の中で発音に変換するという段階を踏みます。認識した文字を心の中で繰返し発音することで記憶を保持し、次の理解の段階に進めることができます。ディコーディングの次の、理解する段階では、リスニングとほぼ同じ脳の働きで処理されます。

リーディングは文字を音に変換するので、実はリスニングよりも1ステップ作業が多いことになります。音読は、文字を発音に変換することを声を出して積極的に意識した形で行うことによって、ディコーディングの自動化を目指す練習になります。自動化ができれば理解に多くの時間を使うことができるのもリスニングと同じです。リスニング同様、知覚段階を自動化することが、ネイティブの処理に近づく方法であるということです。

最後に、シャドーイングと音読によって英語を長期記憶しやすくなることついて説明します。

人が短期記憶を長期記憶に変えるルートには、映像的な記憶と、エピソード記憶と、言語記憶があります。語学学習の暗記においては言語記憶が主になります。言語記憶は、脳内で単語や文の発音を何度もループさせることによって、短期記憶から長期記憶に転化されます。

聞いた音は、約2秒間は脳内に保存されますが、その間に脳内で何度も復唱しなければ忘れてしまいます。2秒間に何度も復唱するためには、音を知覚したり文字を見てから脳内で発音に変換するスピードを増やす必要があります。ネイティブはその過程が自動化されているので、復唱するのが速いため、単語や文を長期記憶に転化させやすいのです。

その過程を自動化するためのトレーニングが、シャドーイングと音読である、というわけです。認識した単語や文を脳内でループさせる作業が高速化されることによって、短期記憶を長期記憶に変えやすくなるのです。

以上がこの本の、シャドーイングと音読が語学学習で効果的であることを説明した部分の要約になります。本文ではもっと実験やデータを用いて論理的に説明されていますので、詳しく知りたい方は是非読んでみることをオススメします。

ではこの説を踏まえて、どのようにシャドーイングや音読を英語学習に取り入れたら良いのか?という話については、また別の記事で書くことを予定しています。

Why →How →What という思考法

TEDというサイトをご存知でしょうか?英語で行われたスピーチが掲載されたサイトです。スピーチの内容が面白く、スピーチそのものもとてもクオリティが高く、スクリプトを読んだりして英語の勉強の教材としても使われています。

今回の記事では、1つのスピーチを紹介します。良いプレゼンテーションなので是非見てみてください。

Simon Sinek: How great leaders inspire action

プレゼンターは優れたリーダーの思考法に気づいてしまったらしく、それを私たちにシェアしてくれます。それは何なのかと言うと、優れたリーダーは行動を

Why How What

という順序で考え、普通の人は

What→How→Why

という順番で考えるらしいです。前者の方が、相手を説得する時に効力を発揮します。例えばGoogleという会社の行動理念。

  • なぜGoogleを運営するのか?→地球上の知を整理できると信じているから(Why)
  • どのようにしてそれを達成するのか?→最先端のアルゴリズムを使うことによって(How)
  • 何を利用者に提供するのか?→興味ある人に情報を届ける広告(What)

こんな感じだと思います。Whyの部分が強烈なビジョンになっていてカッコ良いです。だからGoogleは強いです。結果として生まれるWhatも強いものになります。同じインターネット広告会社にしてもこれはどうでしょうか?

  • 何を提供するのか?→売れる広告(What)
  • どのようにしてそれを実現するのか?→優秀な社員を集めることによって(How)
  • なぜそうしたいのか?→利益を得るため(Why)

こちらは平凡な感じがするでしょ?それでは売らんかなの経営方針になって、ダメなんですよ。やっぱり人は、Googleみたいなクールな会社のお客さんになりたいと思います。

これは相手を説得する時の方法ですが、自分自身を説得する時も使えます。即ち自分のモチベーションを高めるときです。私の経験則として、勉強を頑張れた時というのは、WhyHowWhatの順で考えていた時です。例えばこれをTOEIC学習に置き換えるとこういうことです。

  • なぜTOEICを勉強するのか?→TOEICという謎を解明したいから(Why)
  • どのようにTOEICを勉強するのか?→シャドーイング、音読という科学的な方法によって(How)
  • 何を得るのか?→TOEIC900(What)

この順番を守ってマインドセットできてると、不思議とモチベーションが続くんですね。

イマイチ動機付けが弱くなるパターンはこうです。

  • 何を得たいのか?→TOEIC900(What)
  • どのようにそれを達成するのか?→TOEIC900点突破を売りにした予備校に通うことによって(How)
  • なぜそうしたいのか?→就活の面接で言いたいから(Why)

私の場合、圧倒的に前者の方がモチベーションが上がりやすいです。大学受験の時もそうでした。失敗してしまった就職活動は完全に

ラクでそこそこ金がもらえる会社に入りたい(What)

から入っていたので完全にダメでした。その場合金というWhatがあれば会社には入りたくないんですよ。就活の志望動機としては世の中を変えたいからというWhyから考える人の方が強いと思います。もちろん、金を稼ぎたいとか女にモテたいみたいなWhatから考えて成功する人もたくさん居ます。ただ、私の経験則としてはWhyから入った時の方が成功してますね、という話です。

皆さんも、Why→How→Whatという順番の思考を試してみてください!

第197回TOEIC公開テスト 受けて来ました

先ほど、第197回TOEICを受けて来ました!メジャーフォームです。

私は試験当日は、色々とゲン担ぎをこなして行って試験を受けます。中でも最も大事なのは、ドーピング。今回選んだのはパワードコーヒーという飲み物です。まぁこれは科学的に言っても脳が興奮状態になるのでただのゲン担ぎではないのですが。

カフェインを摂取すると過剰にトイレに行きたくなるので、午前10時15分の時点ですでに飲んでおきました。

その後、試験までに4回もトイレに行き、無事体内の尿を排出した、と思っていました。

が、リーディングで30分を経過したぐらいでしょうか。めっちゃトイレに行きたくなってしまいました。私はリーディングを時間内に解き終える実力が無いため、できれば試験中にトイレには行きたくないです。とにかく我慢していました。すっごい気が散りますね…。

が、残り30分ぐらいのタイミングで、これはもうトイレに行かなきゃ無理だな、というポイントまで来てしまいました。そして挙手する私。超特急でトイレに行きました。

1秒が惜しい状況なので、手は洗いませんでした。

※私は普段トイレに行った時は必ず手を洗います。

トイレ行ったら、途端に頭が冴え始めました。ラスト30分から私は猛反撃を始めました。こんなことならもっと早く行っておけば良かった!もっとリーディング全体で集中できたのに。

塗り絵をしてしまうのが嫌でトイレは我慢していましたが、私も早い段階でトイレに行くスタイルに変えようかと思いました。

あ、ちなみに試験自体は、まぁそこそこのできです。850は切ってないかな……と思います。受験された皆さんお疲れ様でした。

第197回TOEICに向けて

次の日曜日はTOEICです。私の勉強も、ラストスパートに入るところです。

今回は、年末から900点特急のみをやるという勉強に切り替えました。1冊のテキストをやり込むことの効果を身を持って計りたいと思います。

ただ、直前に1つだけ、初見の模試を解きます。名うてのTOEICマスター達は試験直前に初見の問題を解くなと言いますが、私はそれだけはどうしても守れません。初見の問題を処理する練習を1回だけでもやった方が試験当日の脳の処理はうまくいくのではないかと思うのです。

私の目標はとりあえず900超えです。正直、1月のTOEICでは厳しいかな、と思っています。もちろん達成できるようにベストを尽くしますが、本命は3月です。

今回は、最低でも、次に繋がるTOEICにしたいと思います。

私の英語歴 その11 TOEICへのリベンジ

その10の続き

私の英語歴を綴って来たこのシリーズも、今回で現在の私に追いつきますので、一旦終わりです。

20歳の12月にTOEICを受けて490点を取ってから、私は全くTOEICを受けてませんでした。英語はずっと勉強し続けていましたが。

また、TOEICは就職、転職に直結しないということも引っかかっていました。よくある「TOEICのスコアだけでは何もできない」っていう批判。そんなのを真に受けて私はTOEICを受けませんでした。代わりにUSCPA( 米国公認会計士)の勉強を始めたり、もっと無駄なことをやってましたね。ちなみにUSCPAは早々にあきらめました。

それが、5年ぶりにTOEICを受けようと思ったんですよ。

オンライン英会話に、フィリピン留学を終え、私はかなり英語が「話せる」という自信がありました。でもそのことを人と話しても、所詮私はTOEIC490点の男。

「え?リスニングだけで490点ってこと?」

なんて言われてしまう始末です。だんだんとこの状況が悔し くなってきました。

フィリピンに留学に行った時、その学校の生徒は私よりも特別英語ができるとは思わなかったんですが、みんなTOEICを受けていて800点とかやはり超えてるんですね。そういえば、大学の知り合いも、TOEICは800点超えてる人が多かったことを思い出しました。

また、社内でも、英語が好きだった ので英語を使う部署に異動したいと言っていましたが、私の英語力を証明する指標が一切無かったんですね。しゃべれるなんて言っても人事の人は信じてくれません。

私はTOEICを受験しようと決意しました。あいつらが800点取れるなら、俺も800点ぐらい取れるだろう、とようやく思ったんですね。

25歳の12月から勉強を初めて、3月のTOEICを受けました。TOEIC対策は実質3ヶ月ぐらいでした。

勉強内容としては、文法特急1・2、金のフ レーズ、公式問題集、全力特急、直前の技術をやりました。どれも2周ぐらいやりました。あとは公式のリスニングは音源を何回も聞き、音読もしました。

この対策は、幸運にも、英語力をTOEIC力として表現するためには最適なものだったと思います。

私のスコアは860でした。5年ぶりに受けてこのスコアは、私にとって満足できるものでした。自分の英語力を試験を通してしっかりと表現することができたと思います。

そして何よりも、久々にやったTOEIC対策はかなり楽しかったです。文法特急と金のフレーズは本当に、面白いぐらいTOEICの傾向を読み切っていて、進めるほどに私の脳はドーパミンを分泌させていました。私はあれほど嫌いだったTOEICにハマっていました。

とはいえ、最後に5問ほど(DP問題1つ分)塗り絵をしてしまい、それだけが心残りでしたので、6月に再挑戦しました。今度は885点でした。実はこの時も塗り絵をしてしまったのですが、何故かリスニングで470も取れたので奇跡的にこのスコアでした。

その後、私は通訳案内士という資格に興味が出たので、TOEICはしばらく中断していました。その次に受けたのは、1年4ヶ月後になります。

書いてきたように、私はTOEICスコア490から、860まで上げるのに5年かかりました。TOEIC対策は最後の3ヶ月だけですから、少ないと思います。860点のために5年は長すぎると思いますが、私は本当に英語が好きで、TOEIC対策以外の方法で楽しんで勉強していたのでしかたがないと思います。

現時点での私の最高スコアは885ですので、私の英語歴もひとまずここまでとします。また学習が進みましたら、続きを書いていきますので、ご期待ください。