英語でスペイン語を勉強するためのテキストを紹介

多くの英語学習者にとって最大の悩みは、英語を忘れてしまうことだと思います。

英語を勉強している以上、常に忘れる恐怖と向き合っていかなければなりません。1日勉強しなければ英語力は後退し、しばらく勉強しないでTOEICを受ければ50点や100点下がるなんてこともザラでしょう。重症になると、会社の飲み会や家族の用事で英語を勉強できない日があるとイライラするようになるなんてこともありますね。

傍から見ればそんなにカリカリするなよという感じですが、それぐらい執着しないと理想の英語力というのは身につかないんですよね。そうやって、そんなに勉強に真剣になるなよ、と思っている人は英語の勉強もたいして続かない例がほとんどでしょう。

この、忘れる恐怖が厄介なのは、我々に英語以外のことをなかなかさせにくくすることです。

英語がそこそこできるようになると、スペイン語やフランス語などのヨーロッパ系の言語の習得に関してかなりアドバンテージがあるのですが、英語を忘れるのが嫌だからやらない、という人も居るのではないかと思います。(私が思ってるだけか?)

でもやはり、新しいことも学びたいわけです。特にスペイン語は仕事の需要も多いのでぜひチャレンジしてみたいとけっこう前から思っておりました。

そこで私が試みたのが、英語でスペイン語を勉強するという方法。これなら英語を常に読むことになるので、英語力をキープしながらスペイン語を学ぶことができます。さらに、日本語とスペイン語の組み合わせよりも、英語とスペイン語の組み合わせの方が親和性が強いので、英語を通して学んだ方が効率が良いのではないかと思っていました。これが実行できれば一石二鳥ですね。

早速、英語で書かれたスペイン語の文法書を買いました。

この本自体はとても分かりやすく、素晴らしい本なのですが、いきなりこれで学ぶにはハードルが高すぎました。いくら分かりやすい英語で書かれているとはいえ、I am やHe is さえ何て言えば良いのか分からないスペイン語初心者には厳しかったです。

最初の最初は日本語のテキストで学んだ方が良いことを思い知り、いろいろ日本語で書かれたスペイン語の入門書を買ってみました。中でもこの本はとても分かりやすく、最初の一冊におすすめです。

そしてスパニッシモでのオンライン会話授業もコツコツと続けて、ようやく上記のCollins Easy Learning Spanishなどを使って勉強することもできるようになってきました。現在、スパニッシモでの通算授業時間は約40時間です。

そして、単語の学習には、英西辞典が良い感じです。オススメの辞典はこちらです。

スペイン語→英語のページ数と英語→スペイン語のページ数が同じぐらいあり、スペイン語の意味を調べたい時も、英語でいつも使っている単語がスペイン語の場合はどの単語になるかを調べるのにも使えます。

英語、スペイン語ともに平易な例文で構成されているため、非常に読みやすいです。英語もスペイン語も学んでいるという人にとって最適な辞書ではないでしょうか。英語→スペイン語の項で調べて出てきたスペイン語を、スペイン語→英語で調べる、という行ったり来たりして辞書をひくのもなかなか楽しいです。

さて、今日は英語でスペイン語を学ぶテキストを紹介しました。最初は日本語で学び、慣れてきたらCollins Easy Learning Spanish やOxford Learner’s Spanish Dictionary で勉強すれば、決して英語でスペイン語を学ぶというのがただのカッコつけにならない効果が得られると思います!!

Vocabulary Cartoons のレビュー

英英辞典の暗記がなかなか進まない中、今までと路線の違う単語本を発見したので紹介します。

“Vocabulary Cartoons”という本です。

ネイティブ向けの単語本です。Cartoonsというタイトルの通り、一コマ漫画で単語を覚えるというコンセプトの本です。一コマ漫画で語呂合わせを表現していますので、絵と語呂合わせで覚える本ということになります。

どういう内容かと言うと、1ページをここに貼り付けて説明します。

このページはALLEVIATE (意味:和らげる)という単語のページです。

この単語に対する語呂は、LEAVES AET です。leaves ate と発音すると、微妙にalleviate と音が似ていますね。そしてイラストでその語呂とalleviate という単語を結びつけています。

イラストが意味するのは、その下の語呂合わせ用の英文のストーリーです。英文が

“The natives believed if they  ATE the LEAVES of some trees it would ALLEVIATE many illnesses.”

と書いてあり、意味は、

「ネイティブは、木の葉っぱを食べたら病気を和らげることができると信じている。」

です。ネイティブというのは日本人がコンプレックスを感じている英語のネイティブスピーカーのことではなくて、先住民のことですね。イラストは、先住民が葉っぱを食べようとしているところを描いています。

さて、この語呂とイラストについて、みなさんはどう思ったでしょうか?

語呂にもイラストにも無理があるしセンスも感じないから余計に覚えにくいだけだと思いましたか?

私はそうは思いません。語呂もイラストも、とても印象に残りやすくて素晴らしいものだと思いました。実際私はalleviateという単語を他の単語集で何度も目にしていながら、苦手としていました。でもこの本を読んでからはもう大丈夫だと思います。

語呂合わせというのは日本人のお家芸かと思っていたのですが、英語話者もやるんですね。語呂で英単語を覚える本と言うと、受験参考書にこの2種類があります。

この2冊もイラストと語呂で単語を覚えるというコンセプトは似ていますが、もちろん語呂は日本語の語呂です。

私は、今回紹介した”Vocabulary Cartoons” の英語の語呂の方が、日本語を介さない分、自然な語呂になりやすく、覚えやすいのではないかと思いました。

また、既存の日本語の語呂を使った英単語本は、語彙のレベルがそこまで高くないという問題もありました。英検1級レベルの単語を収録した本で語呂合わせの本は、たぶん出ていないです。

その点、”Vocabulary Cartoons” は、英検1級レベルの単語をたくさん収録しています。先程のalleviateも『パス単』に収録されていますね。

というわけで、この本は語呂を気に入るかどうかという問題がありますので人を選ぶことは間違い無いのですが、好きな人はどんどん単語を覚えられるようになると思いますので、英検1級レベルの単語を覚えられなくて苦戦している人はぜひ試してみてください!

知らない情報を読み続けるのはキツイ

スペイン語やタロット占いなど、いろいろなことに気が散っている私ですが、英英辞典の暗記は、ゆっくり続けています。こちらのLongmanのHandy版の辞書です。

この辞書を暗記するのは本当に大変です。掲載されている単語のレベルが高いんですよね。初見の状態で、掲載されている単語の3割程度しか知りませんでした。

horseplay (意味:ばか騒ぎ)

hosiery (意味:タイツ、ストッキング類)

のような、ノンネイティブにとっては過度に口語的な単語とか、字面から意味が想像しにくい単語が多くて本当に覚えにくいです。今後の人生で、horseplayという単語に自分は遭遇するのか?とか思ってしまいますね。

辞書の暗記自体、やりたくてやっているので嫌になることはないんですが、ちょっと現状を把握してみようと、易しめの辞書を読んでみました。

handyとpocketのlongmanの比較については、以前に書きました。こちらの記事です。似たような辞書と見せかけて、handyの方が非常に難しく、pocketはかなりとっつきやすいです。

改めてpocketのlongmanを読んでみたら、見てみた数ページの掲載単語のうち、8割ぐらいは知っている単語でした。やっぱりpocketは基本的な単語で構成されていて勉強しやすいことを再確認しました。

あと、これが今回本当に言いたいことなのですが、8割知っている辞書の方が読みやすいですね。スラスラ読めました。

おそらく、知っていることと知らないことのバランスが良いんだと思います。飲み会とかで自分の知らない話ばかりされると面白くないですよね?人間とは、自分の知っている話を好むものです。

それと同じで、本を読む場合も知ってる内容が多い方が楽しいです。これが、全て知ってる内容だと読む意味が無くなるのでやっぱり面白くなくなるので、知ってることが8割で知らないことが2割ぐらいだと脳にとって負担の少ないバランスだと思います。

勉強するならば、本当ならば10割知らないことで構成されたテキストを使った方が、得るものは大きいはずです。でも10割知らないことだとさすがに読めないので、3割ぐらい知ってて7割知らないぐらいが良いかなと思うのですが、それでも読むのがきついですね。

難しいテキストに挑戦せずに、易しめのテキストを使って勉強することを習慣づけた方が、勉強の調子が上がりやすくて結果的に効率が良いのかもしれません。

TOEICのオーストラリア英語を対策する方法

TOEICのリスニングで、オーストラリア人のナレーターに苦戦している人は多いのではないかと思います。近年日本の中学校〜高校ではアメリカ英語の音声を聞くことが多いため、オーストラリア式の英語には面食らうことがあるでしょう。

これは何も、TOEICの中に限った話ではありません。現実に仕事などでオーストラリア人と英語で話すと、TOEICの比ではないぐらいに特徴的な英語を話されて、全然聞き取れないことがよくあります。私は通訳案内士なので、あんまり何度も相手に聞き返すのはかっこ悪い気がしていつも困っています。

最も印象に残ったのは、エイという発音がアイになることですね。例えば数字の8のエイトは、アイトになります。実際にお客さんに、 天気の良い朝に

“Today is beautiful day.”
「トゥダイ イズ ビューティフル ダイ」

と言われ、一瞬戸惑ったことがあります。

さて、そんなオーストラリア英語への対策ですが、ニュースの音声を聞くのが良いと思います。

ABCニュースという、オーストラリアの公共放送が良いですね。ABCというのはAustrallian Broadcasting Corporation の略で、奇しくもアメリカの公共放送と同じ略語ですね。リンクはこちらです。

http://www.abc.net.au/

このABCのニュースを、ラジオで聞くアプリを使うと、流しっぱなしにできて更に良いです。例えばAndroidのアプリですが、

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.radiolight.australie&hl=en

これを使うとオーストラリアのラジオが聞けます。iOSにも同様にオーストラリアのラジオが聞けるアプリはあります。オーストラリア式の英語がガンガン流れてきます。

ニュースを聞いていると、

“Good day.”

というフレーズをよく聞きます。これはGood Morningみたいな挨拶のようです。グッダイと発音されるので何だろう、と思いますね。

TOEIC対策という目的でなくても、色んな英語を知ることは新しい刺激になって良いと思います!

スペイン語の動詞の活用について

スパニッシモのオンラインスペイン語会話を再開しました。2か月ぶりでしたが、やっぱり会話するとスペイン語の回路が無理やり開けてきますね。

スペイン語を勉強するにあたって最初につまずくのが、動詞の活用じゃないでしょうか。英語ならば現在時制の動詞は、現在形と3人称単数現在形の2つを覚えるだけですが、スペイン語は現在形だけで6種類もあります。主語が複数ならば動詞もそれに対応して変化するんですよね。

最初に聞いた時は、もうスペイン語諦めようかと思いましたね。難しすぎやん、と。そもそも、辞書で単語を調べても、そのページに活用形が全て掲載されていないんですよ。どうやって調べたら良いんだ?と思いました。ちなみにこの辞書です。

が、これは私が悪かったです。辞書には、ちゃんと動詞に番号が振ってあって、巻末の動詞の活用表の、対応する番号の動詞を見ると、その単語と同じ活用をする単語の全ての活用形が分かります。辞書って基本的なアイテムだけど、表示に色々なルールがあって、それを理解せずに読んでいることが多いんですよね。序盤の、辞書の説明みたいなところを読むのがだるいせいですね。

活用形の調べ方が分かり、だいぶ勉強しやすくなりました。それでも、1個の単語につき50個ぐらい活用形があって、覚えるのは本当に大変です。(過去形や進行形もそれぞれ6種類ずつ活用するから50になります。)ただ、スペイン語は英語と違って規則的な言語と言えるかもしれません。ラテン語の1方言であるスペイン語は、英語ほど多言語の影響を受けていないので、規則的なんです。英語はいろんな言語から影響を受けていて、例外が多いんですよね。なのでスペイン語は暗記は大変ですが、覚えてしまえば分かりやすい言語なのかもしれません。

まだ、超初心者の私の感想なのでそれが正しいのか分かりませんが。学習はこの調子で続けていきたいと思います。

グァテマラスペイン語留学について

先週、バックパッカーパラダイスという本を読んでいたら、グァテマラに滞在してスペイン語を勉強する話が書いてありました。

グァテマラと言えば、私が2ヶ月前まで受講していたスペイン語のオンライン学校、スパニッシモがある国です。スパニッシモがかなり優良なスペイン語学校であることを考えると、グァテマラに留学するのはスペイン語習得のためにかなり良い選択肢に思えます。

何よりリーズナブルに留学できます。1ヶ月留学した場合を試算してみたのですが、飛行機代、宿泊費、食費、授業料を含めても約20万円で留学できます。これで月曜〜金曜に4時間スペイン語のマンツーマン授業を受けることができます。

これはちょうど、フィリピンに英語留学するのと似ていますね。オンライン教室との関係も非常に似ています。フィリピン英語教室もグァテマラスペイン語教室も、手軽に始められるオンライン教室と格安で現地に留学するという方法があります。

グァテマラ留学についてはペンション田代という宿のホームページに詳しく載っていました。グァテマラの治安などについても書かれています。気になる人は読んでみてください。URLはこちらです。https://www.ptashiro.com/spanish

最近私はガイドの仕事もほぼ入っていないので、行こうと思えば行けるんですが、日本にも色々なしがらみがあり、断念しました。でも今回のことを機にスペイン語熱が再燃してきたので、スパニッシモに復帰することにしました。ちょうど家のインターネットの工事が済んで高速ネット回線を手に入れたので、ようやく快適にネット授業が受けられるようになったという理由もありましてね。

スパニッシモでは、1日50分の授業を週5日受けるイメージで、ヘビープランというのに申し込みました。16,200円(税込み)で月に20回授業を受けることができます。今までちんたら学習してきているので、今回は、もうちょっとスペイン語を上達させたいですね。

ネイティブっぽい自己紹介

数年前から、アメリカのドラマなどを見て、気になる英語表現がありました。ちなみに『アグリー・ベティ』を見ていました。

それは、自己紹介の仕方です。それも、趣味とか仕事とかの付加情報以前の、自分の名前の名乗り方です。

名乗り方と言うと、何と言うでしょうか。昔から日本では

My name is Taro Suzuki.

と言う表現が教科書に載っており、支配的に使われていたと思います。それがいつからか

I’m Taro Suzuki.

という言い方が取って代わった感があります。さらには極端なことに、”My name is 〜” という自己紹介はもう古くて使われていないという噂が日本で蔓延るようになりました。

ですが”My name is 〜” という名乗り方は全く古くないばかりか、仕事などある程度フォーマルな場での最初の自己紹介ではネイティブは”I’m 〜 ” よりも好んで使うそうです。こちらのサイトでとても分かりやすく解説されていました。

「My name is」は使わないって本当? (Hapa Eikaiwa)

と、ここまでは前置きです。すいません長くなりました。

冒頭の、私がアグリー・ベティで見た自己紹介ですが、それは

John Smith. Nice to meet you.

というものです。名前だけ名乗る自己紹介です。初対面の2人が会話する時などに見られます。I’m とかいちいち言わなくても良かったんですね。

あと同様に気になったのが、3人で会話していて、人を紹介する言い方です。例えば、BettyとAmandaとMarkが話すシーンで、BettyとAmandaは既に知り合いで、BettyがAmandaにMarkを紹介するようなシーンです。

Hello Amanda, this is Mark. Mark, Amanda.
(こんにちは、アマンダ、こちらはマークよ。マーク、アマンダよ。)

こういう言い方は、中学校でも高校でも習わないので、私は度肝を抜かれました。しかも、映画などを見ていると、こういう紹介の仕方って、けっこう多いんですよね。

以上のような話を、こちらの英語教材を読んでいてふと思い出しました。

上記の話で1つ目に紹介した、 ”John Smith. Nice to meet you.”といういきなり名前を言う自己紹介が、この本に書いてありました。これはかなり実践的な本じゃないか?と思いましたね。

重厚で硬派な作りになっているのでまだ通読していませんが、良い本だと思います。読了したら改めて紹介したいと思います。

英語を勉強して海外就職した方が良いのか

5年ぐらい前から「海外就職」というキーワードを聞くようになりました。このブログはTOEICがテーマですので、海外就職をしたい人が読んでくれているかもしれませんね。

かつての、海外で働くと言うと大企業に就職してアメリカやヨーロッパに駐在するというイメージを覆し、シンガポールやタイなどアジア諸国に現地採用の枠で就職するという意味合いでそのキーワードは使われました。

現地採用の海外就職という考え方が新しかったのは、日本の伝統的な大企業に入るには新卒採用で入るのが最も一般的なルートですが、アジア諸国の現地採用なら、中途採用でも充分に入り込める余地があったからです。夢の海外就職が、広く開かれているのです。

確かにこれは、職歴に大きなプラスをもたらします。昨今は本当に多くの企業が海外展開をしたがっており、海外に住んでビジネスをした経験というのはその先いろんな会社で評価されるでしょう。

また、海外就職という言葉が流行り出した時、日本はリーマンショックの余波で、未曾有の就職難でした。日本経済は成熟してしまっていて、成長率の高い新興国でチャンスを掴みましょう、だから海外就職が良いよ、という文脈でも海外就職は推奨されていました。発展している場所にはたくさん仕事があるから、衰退していくだけの日本なんか捨てましょうということです。

当時からなんとなくこの理論には私は違和感を持っていました。日本経済は成熟していて、高齢化が原因で消費は落ち込むことが目に見えています。ですが、高齢化しているということは、社会の中で若いことが希少になっていると思ったのです。だから、いずれ若い働き手は足りなくなり、日本で働く方が職にあぶれることはなくなるんじゃないの?と思っていました。このことは、出口治明さんの本にも書いてありました。

あれから5年が経ち、世の中は人手不足の風潮が強まってきました。団塊の世代が定年退職して、働き手が不足しており、多くの会社が人材の獲得に困るようになってきました。高齢化して経済が縮小していく日本というのも、就職市場において若者に有利に働く面があったのです。

これは、どっちが正しいとかどっちがいいという話では全くありません。確かに日本国内は人手不足になり、就職難は改善されましたが、発展しているアジア諸国で日本人が比較的就職しやすいのも真実です。そして海外で就職して経験を積むことは価値があり、その後の転職活動で評価されるでしょう。そもそも人生は、やりたいことをやるのが一番です。

ただ今回の記事で言いたかったのは、高齢化で日本はもう衰退していくだけだとよく言われるけど、個人にとっては悪いことばかりではないよ、ということです。それに日本は大抵の外国より安全で食事も美味しいし衛生的ですね。まあ、私は日本のガイドなので日本を美化してしまいがちではあるんですが…。

『英単語マニア』のレビュー

英英辞典の暗記をしていて、単語を覚えるのって難しいなあと感じる日々です。覚えても覚えても忘れるイタチゴッコですね。

そこで、少しでも単語を覚えやすくする工夫をしようと、語源の本をいくつか買ってみました。中でもお気に入りの本を紹介します。

『英単語マニア』

3巻合計すると1000ページ以上になる大作です。

書店で見たことが無いので、この本の存在を全く知りませんでした。Amazonでも評価が高くなく、全然目立っていません。TOEICの対策書なんかだと、特急シリーズのように、Amazonで検索した時に表示されやすく、また評価も高くて値段が安い本がそのまま名著だったりしますが、語源を活用して英単語を覚える本と限定してしまうと、良い本がたくさん売れているとは限らないのではないかと思います。

この本は、対話形式で語根の知識を活用して英単語を学ぶという意欲作になっています。対話形式の本は読みやすいので、私は好きです。また、一見すると雑談のような時に本質的なことをポロッと言っていたりするところも対話形式の本の好きなところです。

語根というのは、単語の構成要素で、その単語の意味の中心を示す要素です。

例えば fer という語根があり、この語根は「運ぶ」という意味を持っています。これを使った英単語がいくつか紹介されています。

prefer (pre + fer = 前に運ぶ)  〜の方を好む
refer (re + fer = 持ち帰る)  参照する、言及する、関連する
transfer (trans + fer = 他所へ移す)  転居する、乗り換える

と言った具合です。語根の中心的な意味と、それに接頭辞や接尾辞(語頭のinや語末のantなど、よく見る英単語のパーツ)を付けて構成される意味が解説されます。

prefer が、前に運ぶのがなぜ好むの意味になるかと言うと、気に入った物を前に運んで目立つようにしたからでしょう。また、referは、持ち帰って参照したからre(後ろへ、を表す接頭辞)+ fer で参照するの意味になったのでしょう。このように、語源を活用した英単語の暗記には、推測が欠かせません。

この手の足し算のように英単語の意味を紹介する本は他にもたくさんあります。語源で覚える英単語3600語源中心英単語辞典など。ちなみにこの2冊もなかなか良い本です。

『英単語マニア』が画期的なのは、対話形式で印象に残りやすいのと、全巻併せると1000ページを超える分量の多さでしょう。記憶しやすさと網羅性を兼ね備えています。

でもこの本は、実力の割に有名でないような気がします。これは、人を選ぶ内容だからではないかと思います。

二人の対話が気に入らない人には全然合わない本でしょう。まずこの2人というのが、メルライン・フライダ氏という語学の達人のオランダ人と、藤田修司氏という70歳ぐらいの語学に詳しい日本人です。おっさん2人の会話を延々読み続けるのが性に合わないという人は居るのではないかと思います。

会話をそのまま活かしたような編集構成になっていて、これを読みにくいと感じる人も多いと思います。いきなり話題が飛んだりしますからね。これは私なんかは、自分がやっているインタビュー「満点ホルダーに会いに行く」で会話を活かしたインタビュー記事を書いているので自分も好きな手法であり、読む立場になっても好きです。まあでも、好き嫌いが分かれると思います。

あとたまに、下ネタが出て来るんですよね。jectの語根のところでわざわざejaculate(射精する)という単語を強調して紹介いたりします。これなんかは、「e (外に) + jac (投げる)」という接頭辞と語根を覚えやすく、良い例だと私は思いますが、こういうノリが嫌いな人は居るでしょうね。

このように、『英単語マニア』は影の名著であると言えるでしょう。今後もこの本が多くの人に読まれることは無いと思いますので、他人と差をつけるような尖った英語知識を身に付けたい人は、ぜひ読んでみてください!!

TOEIC満点保持者にインタビューして分かったこと

「満点ホルダーに会いに行く」と題して、TOEICで990点を取得したことがある3人にインタビューをしました。

第1回 Jet Bullさん
第2回 蚊取り線香さん
第3回 TOEIC満点の花嫁さん

今日はインタビューを通して分かったことを書いていこうと思います。

満点までの道のりは人によって全然違う

まず一番大きなポイントとしては、TOEIC満点を取るまでの道のりは人によって全然違うということでした。

これは当たり前のことかもしれません。英語を身につけるまでの道のりも人によって全然違うのが当然ですから。

そもそも英語のネイティブスピーカーの多くはTOEICで満点を取れるでしょう。彼らをもフラットな比較対象として見た時、彼らと僕らでは、道のりが全く違います。ネイティブも、もちろん単語の暗記などをしますが、自然に身に付ける部分が僕らよりも大きすぎます。

ネイティブは極論だとしても、日本人で自分で勉強して990点まで辿り着いた人でも、全然違った勉強をしています。違いが顕著なのは、第1回にインタビューしたJet Bullさんと、第2回の蚊取り線香さんでした。方やJet BullさんはTOEIC対策の問題集などはほぼやらずにたどり着きました。インタビューでは、気の遠くなるような単語の暗記を経て英語力を身につけたお話が聞けました。

逆に蚊取り線香さんは、TOEIC対策の問題集でしかほぼ英語に触れていないらしいのです。TOEICで満点を取るという目標を達成するためには、素直に考えると最も合理的な方法だと思います。たまに

「TOEICの対策以外の、生きた英語に触れた方が英語力は伸びる。結果としてTOEICのスコアも上がる。」

と言う意見を聞きます。まあそういう人も居るとは思うので、私は何もこれが間違った意見だと言いたいわけではありません。ただ、私がいろんな人から話を聞いた感想としては、TOEIC対策の問題集をやった方が、たとえ満点狙いであっても、効率が良いのではないかと思います。

TOEIC対策の難問集をやる必要は無い

このインタビューをする時に気になっていたのが、毎回1問や2問出題される難問を対策するために、極端に難しい問題を集めた問題集をやるべきか?という疑問です。

こういう本です。

TOEIC対策をしていないというJet Bullさんはさておき、TOEIC対策書で勉強をして満点を取った蚊取り線香さんとTOEIC満点の花嫁さんからも、その類の本をやりこんだという話は聞きませんでした。むしろ、そういう超上級者からも、『金のフレーズ』や『公式問題集』の重要さを伺いました。

これは、980の延長上に990があると考えると、私の場合はまずは980を取るために、リーディングで塗り絵をするのを防がなければなりません。900点ホルダーのうち、リスニング単体では満点を取ったことがあるという人は多いと思います。それを毎回取れるかは別として、1回でも取ったことがあるということは、取り方を知っているということです。すると980や990の鍵はリーディングということになります。

990点を取るための鍵が、リーディングで最後まで解き終わるスピードを身につけましょう、ということでは、何だそんなことかよと思われそうですが、実際、僕を含めて多くの900点ホルダーの課題はそこだと思います。990を取るためには980が取れなければならなくて、980を取るには、リーディングを最後まで解かなければなりません。

すると必要なテキストは、Beyondとかよりも、公式問題集になってくるのかな、と。

塗り絵をしないためにはどうしたら良いのか

課題はここに行き着きました。これに関しては、インタビューの中では、蚊取り線香さんのインタビューの終盤で、ヒントを頂けました。蚊取り線香さんは、リーディングの中で情報を積極的に取りに行く、というようなことを仰っています。詳しくはインタビュー記事を読んでいただきたいです。

リーディングで速く解く鍵は、読んだ本文の内容をいかに覚えているか、ということのような気がしています。いつも、問題文と本文をウロウロと行ったり来たりしているから時間が無くなります。

蚊取り線香さんから教えてもらったことは、私も実行できていないので、まだ教えてもらったことを完全に飲み込めているわけではないのですが、いかにして本文の内容を覚えているかというのが鍵のようです。そういえばそういうことを意識して問題演習していなかったな、と思うので、これは改善の余地がありますね。

 

さて、3人にインタビューして思ったことが、満点を取るためにはリーディングで最後まで解けなければならない、という拍子抜けしてしまうようなことでした。TOEICって、最後までそこなんですね。

そんなことを書いておきながら、最近私はTOEICを受験できていません。他にやることがあってなかなかTOEICに手が付けられていません。しかし必ずや、満点を取るために戻ってきたいと思います。