The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition”の感想

オススメ度(5段階) ★

今度の6月、また英検1級を受けようと思っています。英検1級に関しては私は2年前に受験しており、けっこう対策しました。合格できませんでしたが…。

語彙がキーになると思い、語源で学ぶ語彙系の本を読んでみました。

調べていくと、語源系の語彙本は印欧語根という切り口を使って語源を説明していることを知りました。印欧語根とは、あらゆるヨーロッパ系の言語のもととなった仮想言語である印欧祖語という言語の、語根です。語根を知っていれば、未知の単語でもパーツの組み合わせから意味を推測できるだろうと考えたわけです。

で、アメリカ人向けのそういう本に挑戦しようと思って買ったのが、”The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition”というわけです。

流石にこの本はレベルが高すぎました。背伸びをしすぎたようです。私程度の英語力では参考になることはほぼ無く、本棚で眠っています。こういう学習法は、度が過ぎると、「覚え方を覚える」のが難しくなってしまい、逆効果になることが往々にしてあるのですが、この本を読むこと自体ものすごく大変で、まさにそんな感じでした。

印欧語根から語源を説明した本なら、もっとマイルドで楽しい本が出ています。

こちらの本も、古いですがシンプルで悪く無いです。

TOEIC対策にも使えそうな洗練された本ならこちら。

語源で暗記する単語の本は、一冊は読んでおくと良いと思います!ただしThe American Heritage Dictionary of Indo-European Roots, Third Edition以外で!

主語と動詞の出現を待ち構える

昨日、久々にこの本を読み返していました。

この手の英文解釈系の本では伊藤和夫の『英文解釈教室』という本が有名ですが、『英文解釈マニュアル』の方が分かりやすくて実用的だと思います。

やはりこの本の素晴しさは「新5文型」という考え方に行き着きます。新5文型とは、従来の5文型がSVOという最低限の要素だけを書いていたため実際の英文ではそんな文章は稀で実戦で役に立たないことから、その他の要素までを公式として盛り込んだ実戦的な5文型です。従来の5文型では「SV」として表現されていた文も新5文型では

イントロ S Sの説明 一般動詞 Vの説明

と表現され、そもそも英文はSではなくイントロという補足情報から始まることが多いという非常に重要な情報が示されています。

この新5文型を身につけると、

主語と動詞の出現を待ち構えながら英語を読んだり聞いたりする

ようになります。英語に限らず全ての言語は、主語と述語を繰り返しながら何かを伝える構造を持っています。例えばこれらの例文も

  • 車が赤い
  • 子供が走る
  • 寝る前に(私たちは)歯を磨くべき

全て、「〜は〜だ」「〜は〜する」という構造を持っています。

外国語を読んでいると、どれが主語でどれが述語か分からないという状態に頻繁に陥ります。それが、文が分からないという状態の原因です。英文解釈のコツは、主語と述語をしっかりと認識することです。

英語の場合は主語と動詞を探すことになります。上の例の日本語だと「車が赤い」という文は動詞がありません。日本語にはbe動詞がありませんから、主語の次に助詞が来て形容詞が来るわけです。しかし英語ならば”the car is red”となり、形容詞を使った述語も、まずは動詞が来ます。述語を認識するためのコツが、動詞の出現を待つことになるわけです。

TOEICのPart5は、文構造を見抜く問題が、かなりの数出題されます。それは上記の主語と動詞をきちんと認識するための最高の練習になるでしょう。また『超・英文解釈マニュアル』はTOEICのPart5の対策としても最高の参考書となります。

主語と動詞を待ち構えるスタイルの確立は、英語力上達のための最重要課題ですね。

900点特急2はスマホ向きの電子書籍

最近すっかりスペイン語の方に進んでいましたが、通訳ガイドの研修を受けたこともあり、英語熱も再燃しました。その分、投資や小説へ割くエネルギーが下がっています。エネルギーの総量は変わりませんからね。

4月のTOEICも申し込みました。DMM英会話も再開し、しばらくはDMMを中心に学習しようかと思っています。DMMでの学習方針は別の記事で書きますので、今日はこの本についてです。

私のブログ記事ではお馴染みの『900点特急』の続編です。

気づいたら、900点特急2の、Kindle版が発売していました。上記のリンクから買えます。

Kindle版が買えるとはどういうことかと言うと、スマホで読めるということです。Kindleのアプリをスマホにインストールしたら読めます。

この本は、恐ろしくスマホ向きだと思うんです。1問で完結して、解いたらすぐに答えを見れます。仕事中にトイレ行ってウンコしてる時とか、取引先で相手を待つ時とか(相手に見つからないように気をつけないといけませんが)、ちょっとした時間にやるのに最適なのです。30秒とかの僅かのスキマ時間とかでも勉強できます。

これをとりあえずスマホに入れておいて、短いスキマ時間はこれに徹することにします。ネットも使わないですし。

スペイン語もやっていきますが、TOEICもコツコツ対策していきます。4月10日、現行の形式での最後のTOEICに向けて頑張りましょう!

勉強は紙の書籍で/Collins easy learning Spanish Grammar のレビュー

電子書籍は便利ですが、勉強には紙の本を使った方が良いと思います!

今日はそんな話です。

今、スペイン語の勉強にこの本

を使っています。この本は英語で学ぶスペイン語の書籍としては最高だと思います。非常に分かりやすいです!

Kindleの電子書籍と紙の本が両方あって、両方とも買いました。と言うのも、最初は電子書籍を買っていたのですが、勉強に向かないと思って紙の本を買い直しました。理由は2つあります。

①ページをめくりやすいことが大事

文法を勉強していると、前のページを見直すことが頻繁にあります。動詞のページを読んでいる時に、代名詞の人称について確認したりします。そういう時、紙の本は使い慣れていると前のページをすぐに開けるんですね。だいたいどこに何が書いてあるか分かるから。
電子書籍でも戻ることはできるんですけど、目次に戻ったり、検索したりするのって面倒臭いんですよね。パラパラとめくってページを変える方が便利です。

②質感が大事

多くの勉強は、何かを暗記しなければなりません。そういう時に、紙の本を持っているという感覚が大事です。全体ページ数のどの位置にあるコンテンツを読んでいて、それを触りながら音読しているという感覚が、五感を刺激し、記憶に残りやすくなるのです。ページの右上にあったとか、そういうことって記憶に大事な影響を与えますが、電子書籍だとフォントの大きさを変えられたり、ページのめくり方によって、表示される位置が変わってしまうんですね。そうなると印象が薄くなります。情報として何かを受け取る分には非常に便利ですが、情報を暗記するには向いていません。暗記を伴わない勉強ならば電子書籍は非常に効率が良いです。

私が考える理由はそんなところです。ただ、矛盾しますが、電子書籍が勉強する時に非常に有利になることもあります。

それは、スマホで読めることです。Kindleのスマホアプリを使えば、購入した電子書籍が全てスマホで読めます。これは思ったより便利で、やはりいつでも本を読めるというのは勉強するには非常に役に立ちます。トイレとか電車の中とか、スキマ時間に勉強できます。暇な時間にTwitterを見るのをやめてKindleアプリを見るようにすれば、けっこう勉強できるんじゃないかと思います。TOEICで言えば、文法特急などはかなりスマホ向きです。

結局、これは、と思うテキストは紙の本と電子書籍を両方買うのが良いです。家では紙の本をしっかり読んで、出かけたらスキマ時間にスマホで読む、という二段構えでいけばその本の定着率は上がるでしょう。

というわけで、冒頭の主張からちょっとずれましたが今日の結論はこうなります。

良いテキストは電子書籍と紙の両方買え!!

スペイン語参考書6冊のレビュー

初級レベルのスペイン語の参考書をいくつか買いましたので紹介します。たいして勉強してないのに買いすぎました(笑)

完全に初めて勉強をするなら、『文法から学べるスペイン語』が最高だと思います!章立てが良いですね。重要な文法事項から順番に学べます。例文やダイアログも掲載されており、文法理解→音読の練習という使い方ができます。これを中心に勉強していきます。

『はじめてのスペイン語』は、参考書と一般書の中間のような本です。文法が載っていて例文を暗記して勉強する、みたいな本ではなくて、そもそもスペイン語とはどんな言語なのかということを解説した本です。この手の、日本語がたくさん書いてあって文法を丁寧に説明している本は、初級段階ではかなり有効だと思います。上記の『文法から〜』と併用して使っていきます。

『やさしいスペイン語文法』はせっかく買ったのに何故かあまりやる気がしない本でした。おそらく、各項目ごとの構成が良くないんだと思います。ダイアログもなく、イメージが湧かないんですね。惜しい本でした。

『英語・スペイン語どちらも話せる!』とは魅力的なタイトルですが、こちらも惜しい本でした。やはりヨーロッパ系の言語はせっかく英語を勉強したので、例えばスペイン語ならば日本語↔︎スペイン語を脳内であれこれするより、英語↔︎スペイン語で考えて勉強したいところです。英語とスペイン語は言語的にもそこまで近い成り立ちではないためあまり似てませんが、日本語とスペイン語の関係に比べたらだいぶ似ています。

また、後述しますがこの手の本だったら英語のネイティブスピーカー向けのスペイン語の教本の方が良いです。安いし、数もたくさんあります。

英語の単語帳はしばらく『金のフレーズ』一本でしたが、キクタンシリーズはけっこう好きです。特に、基本的な単語の音をまだ覚えていないため、ひたすらスペイン語の単語を連呼するこの本は、なかなか良いのではないかと期待しています。

英語ができるならば、スペイン語は英語を通して学んだ方が良いと思います。英語は日本語よりはだいぶスペイン語に近いです。ただ、いきなりこの本を読んでもやはりイメージが湧かないと思います。上記『文法から学べる〜』で雰囲気を掴んでからこれを読むと良いでしょう。

特に今まで一生懸命英語の勉強をしてきた人は、他言語をやっていると英語を忘れてしまうんじゃないか、TOEICのスコアが下がっちゃうんじゃないかと不安になるものです(笑)だったら同時に学んでしまいましょう!実際、スペイン語の学習効率も上がるし本は安いし、良いことづくめなのです!!

以上、いくつか紹介してきましたが、『文法から学べるスペイン語』を軸としながら”Easy Learning Spanish Grammar” を英語学習と兼ねて織り混ぜるという感じでしばらくやってみます。

『失敗の本質』のレビュー

凄い本を読んでしまった。

旧日本軍は、なぜ米軍にやられてしまったのでしょうか?

そもそも勝ち目が無い戦争だった?

他国を侵略してはいけなかった?

従軍慰安婦なんていう破廉恥なことをするバカな軍隊だった?

南京大虐殺をする残虐な軍隊だった?

日本とアメリカの国力の差が大きかった?

そんな感想を持っている人が多いのではないでしょうか。近年の日本の歴史教育は自虐史観が浸透し、とにかく

「戦争はいけません」
「日本軍は悪いことをしました」

に終始しています。今の子供は大東亜戦争に対してそんな印象しか持っていないのではないでしょうか。

戦争全体としては、国力の差が大きかったことが敗因かもしれません。しかし、戦争というのは個々の戦闘の集合体を指すものであって、日本軍が個々の作戦レベルの話として、どのようにして負けたのか?ということはあまり知られていません。

この本は、日本軍が敗北した6つの作戦について、なぜ日本軍が負けてしまったのかということを説明します。その上で、組織としての欠陥、そもそも戦略とはいかにあるべきか、という論点で大東亜戦争における日本軍の失敗を総括します。

戦争は殺し合いです。そんなものを学んだところで、この平和な21世紀に役に立つことは無いと思うかもしれません。戦争に勝つ方法を学ぶのではなく、戦争を起こさない方法を学ぶべきだ、なんて言う人もいるかもしれません。SEALDsかお前は、という感じですね。

とんでもないです。この本は、21世紀の日本を生きる上でも、必読の書だと思いました。

日本軍が犯した失敗とは一体何だったのでしょうか?それは、

  • 戦略的グランドデザインの欠如
  • 議論のできない風土
  • 年功序列で新陳代謝されない人事制度
  • 敵軍の戦力を軽視する精神主義
  • 失敗から学ぶシステムの欠如

などです。これを見て、何か思うことはありませんか?

そうです。これは、2016年現在の日本の大企業・官公庁が抱える問題点と全く同じなのです。我々の組織が抱える欠陥は、実は旧日本軍から脈々と受け継がれてきたものなのでした。この本を読んでいると、マジで自分の社内で起きていることがフラッシュバックしますよ。しないという人は、先進的な組織に居る人だと思います。

この本が1984年に書かれたということが、私には衝撃でした。30年以上も前に、当時の日本の大企業や官公庁が抱える問題点が、旧日本軍と同じであるということが指摘されていながら、今この本を読んでも全く古いと思わないんですね。

組織の抱える欠陥、戦略とはどうあるべきか?などが学べる、素晴らしい本でした。サラリーマンは必読ですね。

『「読まなくてもいい本」の読書案内』のレビュー

明日はTOEICですが、今回のTOEICに向けての私の学習を妨げた本を紹介します。

「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する
オススメ度(5段階) ★★★★★

この本には衝撃を受けました。もともと橘玲の本は好きでマネー系の本は読み込んでいましたが、また違った方向でやられました。

読まなくても良い本を読書案内するとはつまり、古い学問はもう役に立たないからこの本で紹介する5つの学問を勉強しなさいよ、という意味です。その5つ以外の古い学問によって書かれた本は読まなくてもいい本ですよ、とバサッと切り捨てます。

よって、5つの新しい学問の概要を説明するのがこの本の内容です。その5つとは

  1. カオス理論
  2. 進化論
  3. ゲーム理論
  4. 脳科学
  5. 功利主義

です。厳密には学問じゃないのもありますが、とりあえずその5つを学ぶべきということです。

この5ジャンルの概要を橘玲がまとめていて、それが分かりやすくてめちゃくちゃ面白いんです。

特に私は進化論に激ハマりしました。もう世の中の生物の行動が全て進化論という切り口でしか見えません。人間も含めて。全ては生存競争と淘汰によって説明できる、気がします。

この本、超面白いので是非読んでみてください。明日でTOEICも一区切りですしね。

『新TOEIC900点特急2 究めるパート5』のレビュー

ようやく2周目が終わりそうなので、この本の感想を書きます。


オススメ度(5段階) ★★★★

私は、前作『900点特急』のおかげでTOEICで900点を超えた経験があります。詳しくはこれらの記事に書きました。

私がTOEICで900点を突破した方法

900点特急の音読を3ヶ月終えて

まさかこんなハイレベルで人を選ぶ問題集の続編が出ると思っていませんでした。それだけ世間のTOEICプレイヤーのレベルが上がってきたということでしょう。続編のクオリティは、果たしてどうなんでしょうか!?

問題のレベルや方向性は非常に前作と似ていると思います。TOEIC本番であればpart5の40問のうち2問ぐらいしか出ないような難しい問題がたくさん収録されています。

ただ、これも前作と同じ感想にはなりますが、滅多に出ない難問だからと言って、解くのが無駄な問題というわけではありません。特に文法問題の難問は、修飾や態や時制など、どこまで行っても基本問題の組み合わせでしかないんですね。つまりこれらの難問は難問対策になるだけでなく、基本〜中級レベルの問題の復習としても有効です。

よって、『900点特急』で私がやったような、音読しまくって暗記してしまうというのは、今回も非常に効果的な学習になると思います。

part5の問題は短い文を一瞬で読む練習になるので、リスニングの選択肢の先読みのトレーニングにもなります。この本を読み込むことで、TOEICの全パートの学習ができるでしょう。

現行の形式でのTOEICも、もう数えるほどしかありませんが、5月までの学習はその後も決して無駄になりませんので、このまま頑張っていきましょう!

英語学習本はこれで決まり

英語学習ブームの盛り上がりは停滞することを知らず、年々その熱は高まっているように思います。書店に行けばTOEIC対策本は平積みされ、その横には、

「どうやって英語を身につけるか」

ということを書いた、いわゆる英語学習本が跋扈しています。

3ヶ月でTOEICで400点上がったとか偏差値40から同時通訳者になったとか、怪しいストーリーがこれでもかと並んでいますよね。それらは胡散臭い例ですが、同じジャンルの本に、音読は500回繰り返すべし、みたいな硬派な本もあり、精神論と言えなくも無いものの確かに500回も音読すれば効果はあるでしょうから正しいことを言っている本もあります。

英語学習本は私もいくつか読んで来ましたが、この1冊は別格に読む価値があるように思えます。

シャドーイングと音読の科学

内容は以前にこのブログで紹介しましたので、こちらの記事をご覧ください。

音読500回は英語習得のためにおそらく正しい方法ですが、やはりどこか精神論っぽさがあるんですよね。そのせいでなかなか取り組めないという理論派の人も居ると思います。

『シャドーイングと音読の科学』は科学的根拠を示し、圧倒的な説得力を以て我々を音読に取り組む気分にさせてくれます。

ただ、この本の科学すらも若干、根拠に乏しくオカルトの範疇を出ないような気もします……。まぁ、他の凡百の英語学習本より説得力があることは間違い無いです。

『英検準2級文で覚える単熟語』で英会話練習

来週、海外に出張に行くので英会話の練習をしています。主にDMM英会話をやっています。

DMMは1日25分だけなので、その他の時間にも何かやろうと思い、音読の素材を新たに買いました。こちらの本です。

CD付 英検準2級 文で覚える単熟語 三訂版 (旺文社英検書)

この本を選んだのは、尊敬するJet Bull さんがブログで、英会話の練習ならばこう言う簡単なテキストが良いと仰っていたからです。こちらのブログ記事です。

確かに、英会話で使う語彙って英検準2級ぐらいの簡単な語彙なんですよね。見出語を見ると kind, company, neighbor など、昔習ったんだけどよく考えたら会話で使えそうな単語が並んでいます。こう言う簡単な語彙がすぐに口から出てくることが英会話では大事なんですよね。

というわけで、英会話の練習をするならば簡単な単語集を音読するのは有効だと思います。今さら準2級なんて……とバカにせず、音読しましょう!