私の英語歴その6 大学2年生〜4年生 TOEICとの決別

その5の続き

英文学専修に進んだ私、は英語の勉強に熱心ではなかったと言っても、たまに授業で英文を翻訳しましたし、またTOEICの勉強も、ほんの少しだけやっていました。あとは、洋楽を聞くとか、ぬるい勉強はちまちまやっていました。

いちおう、もう1回TOEICを受けてみることにしました。申し込んだら勉強するだろう、と思って軽い気持ちで申し込みました。2年生の12月のことでした。

結果は490。

前より点数悪くなってるじゃーん_| ̄|○

前回は受験勉強の記憶もまだある時でしたから、当然と言えば当然かもしれません。今回の惨敗で、私は逆襲の意欲に燃え……ませんでした。もうTOEICやりたくないわ、と思いましたね。

だいたいTOEICなんて、架空のレストランの宣伝とか企業の求人とかばかりで、題材が面白くないと当時思ったんですね。今は逆にその架空の世界のおかしさが面白いと思ってるんですけど。

大学でやっていたのがTOEICと逆向するアカデミックな英語だったのもありましたし、私はもう当分TOEICは受けないと決めました。TOEICの勉強のために、くだらん文章を読んだりするのは無駄だと思ったんです。

で、本当に英語ができる人はTOEICの対策なんてしなくても900とか取るじゃないですか。だったら自分も、英語力を上げてからTOEICを受けた方が効率が良いんじゃないかと。

それからと言うもの、私は25歳になるまでTOEICの勉強を5年間全くしませんでした。代わりに、英語は自然に勉強しようと決めました。

  • 聞く音楽は全部洋楽にする
  • 英語のニュースを聞く
  • 簡単な洋書を読んでみる

こんな感じで、普段無意識に日本語で行っていることを英語に変えてやってみました。

結果的にはこれらのことはおそらく効果はあったのでしょうけど、なかなか成果が見えにくいので、あまり効果的ではないと思います。だいたい、洋楽なんて今でも全然聞き取れませんし、普通に読みたい本を読むと洋書もほとんど理解できませんし。まぁやらないよりはやった方が良いと思います。あとは、難易度を下げてやることが大事ですね。

例えば洋楽だったら、エミネムみたいに弾丸でラップするのを聞きたくても、敢えてビートルズを聞く。他にはマドンナがオススメです。ビートルズとマドンナは歌詞が聞き取りやすい歌手のトップ2だと思います。どおりで中学の授業でYesterdayとか歌ったわけです。

洋書だったら、まずは思い切り簡単なのを読みます。私は最初は、勝間和代先生オススメの”Who moved my cheese?” や”Rich Dad Poor Dad”を読んでました。ベタなチョイスですね。これぐらいなら、辛うじて読めました。

そんな感じで、英語に関しては緩い勉強を続けながら、大学生活を過ごして居ました。

その7へ続く

私の英語歴 その5 大学2年生 英文学専修

その4の続き

私の通っていた早稲田大学第一文学部は、2年生になる時に専修という、専門分野に分かれます。当時私は教育に興味があり、将来は教師を目指していました。なので教育学専修というコースを志望していました。

希望者が多い専修は成績順に、希望の専修に進級できる人が決まります。私は大学の授業にはさほど熱心ではなかったので成績は悪く、教育学専修に入れませんでした。第二志望の英文学専修に進むことになります。英文学専修と言うと、南山大学や青山学院大学では花形の専攻ですが、早稲田の第一文学部では全くそんなことはありませんでした。我らが英文学専修はゼミが無く、異常に学生の数が多かったです。つまり、希望の専修に入れない人の受け皿のような専修でした。

と、ここで

「大学の時は英語を専攻してました」

なんて言いましたが、すると

「じゃあ英語できて当たり前だよね。ペラペラなんでしょ?」

と今でもよく言われます。が、

「英語力とは関係無いです」

と全否定したいです。今でこそ私は英語をそこそこしゃべることができ、TOEICも高得点が取れますが、それは後述しますが主に大学を出た後に独学した成果ですから、英文学専修はほぼ関係ありません。

じゃあ英文学専修で何をやっていたかと言うと、日本語訳された英米の小説を読んでました。英語で論文書いてません。全部日本語で書きました。

英語力は身に付きませんでしたが、私の英語好きや未だに続く英語学習へのモチベーションは、ここで英文学を学んだからだと思います。英米の小説を読むのは、かなり面白かったんです。いつかは英語で読んで理解したいな、と当時思ったことが、今でもモチベーションになってます。まぁ、他の学部の人が難しい数式解いたり、経済学の理論学んだり、司法試験の勉強したりしてる間に私は大学の授業で映画を見たり恋愛小説を読んでた(いちおう英米文学です)だけですので、楽しくて当然ですね。

特に気に入ったのは、ジェイン・オースティンでした。オースティンの凄さを3つにまとめると、

  • 何でもない日常を面白く書いた
  • 現代まで続く普遍的なテーマを扱っている
  • 小説の原型を作った

ということです。一番有名な作品が『高慢と偏見』という作品なのですが、これは全てのラブストーリーの原型になりました。『花より団子』とか『ブリジット・ジョーンズの日記』とか、『高慢と偏見』を下敷きにした作品というのは物凄くたくさんあります。イギリスを代表する女流作家ですから、日本で言う紫式部みたいなものです。

後は、ハーマン・メルヴィル、ジョセフ・コンラッド、ヴァージニア・ウルフなんかを読みました。これらの古典を英語で理解するというのは私の目標の1つです。TOEICの勉強とは全く異なるものですが。

そんなわけで、文学の勉強はそれなりに楽しんでいましたが、この頃、英語力は全く伸びませんでした。もう1回TOEICを受けた話を次回書きます。

その6へ続く

私の英語歴 その4 大学1年生 初めてのTOEIC

その3の続き

めでたく早稲田大学に入学した私は、最初の頃は勉強する気に満ち溢れていました。何せ受験勉強中は早稲田大学が楽しい大学だなんて全く知りませんでしたので、勉強グセがまだ抜けていなかったんです。

受験勉強の後は、TOEICだろ。

と思って、私は大学1年生の7月にTOEICを初めて受験しました。勉強する気があったとは言え、大学に入りたてで、必修の中国語の勉強や、始めたばかりのサークルやバイトなどで毎日忙しく、ほとんど勉強しませんでした。トリプル模試か何かを買ってちょっと解いただけでした。この時、公式問題集でも買ってれば何か違ったかもしれませんが、公式問題集は「値段が高い」という理由で買いませんでした。

スコアは550でした。

これはショックでしたね。曲がりなりにも英語は得意科目で、早稲田大学に入ったぐらいですから、700点ぐらい取れると思っていました(笑)実際、受験英語の応用でそれぐらいのスコアが取れる器用な人も早稲田大学にはたくさん居ましたが、私はそうではありませんでした。

受験英語の頃から、私は問題を解くのが遅かったんです。そのかわり正答率はかなり高い。そういうスタイルで試験を切り抜けてきましたので、TOEICでもそのクセが出てしまいました。リーディングが最後30問ぐらい手が付けられず、死んでましたね。

早稲田の試験にはリスニングは無いのに、何故かリーディングよりもリスニングの方が遥かに点数が高いという……。まぁ今でもその傾向は変わりませんが。

散々な初受験で私は、すっかりヤル気を無くし、それからTOEICの勉強は、ほぼしませんでした。たまに気が向いた時に問題集を買ってちょっと解くぐらい。あとは単語帳なんかも買った記憶がありますが、全然身につきませんでした。この頃から英語に関して私は長いスランプに突入します。

というか大学が楽しすぎて、TOEICの勉強どころではありませんでした。遊んでばかりいる普通の大学生だったのです。

その5へ続く

勉強の3ステップ

今日は、TOEIC以前の問題として、勉強というのがどういう手順で行われるべきかを書きます。いわゆる学力を計る試験であれば、大学受験でもTOEICでも、全てに共通する話です。

勉強というのは、次の3つの作業を行うことだと思います。

  1. 演習
  2. 理解
  3. 暗記

問題演習を行い、解説を読んで理解し、それを暗記する。というシンプルな手順です。

問題集を買ってきたらまずは解きます。この時、試験を意識して本気で解くべきです。そうすることで2と3の効率も良くなります。TOEICならば、時間を計ってやった方が良いでしょう。一般的に勉強と言うと問題を解くことが想起されますが、この行為ではほぼ実力は付きません。問題演習しかやらず、2と3の過程をヤラないのであれば、遊んでいるのと同じです。

解き終わったら答え合わせをします。小学生だったらこの時点で勉強が終わってしまいますが、我々大人は、効率よく勉強しなければなりません。ここからが実力アップに必要な作業です。答え合わせが終わったら、間違えた問題について解説をしっかり読みます。理解するまで読むことが大事です。これでようやく、解けなかった問題が解けるようになります。

そして、最後に、理解した解答への筋道を暗記しなければなりません。その時、音読やシャドーイングが有効です。パート7だったら長文ごと音読するのも良いですし、文法特急のようなパート5の問題集なら問題と解答を暗記してしまうのが手っ取り早いです。なぜその解答になるのかも含めて、暗記すべきです。

ある程度勉強してきた人なら当たり前過ぎる話ですが、今日は当たり前のことを立ち返って、勉強という行為の流れを書いてみました。3つの作業を、自分に必要な分量ずつやって進めていくのが勉強です。

1を問題演習としましたが、初めは問題集の問題が全問分からないような状況もあるかと思います。その場合は、できるだけ分かりやすい丁寧な参考書(問題がほとんど載ってないやつ)を買ってきて、2と3の理解と暗記の作業だけを先にやった方が良いでしょう。

ある程度問題が解けるようになったら、あとはひたすら1,2,3の繰返しです。

TOEICで使う筆記具

私は試験の対策を本気でするなら、どんなセコいテクニックも使い切る人間なんですが、TOEICに関して未対策だった部分がありました。

それは、マークシートを塗る時に使う筆記具です。今まで私は筆記具に対してノーマークでした。塗るのに時間がかかるシャープペンシルは論外として、ドラゴンクエストのバトルえんぴつでTOEICに臨んでました。大量に余ってるのでね…。

でも本気でTOEICの対策するなら、筆記具も最良のものを使った方が良いと思うんです。というわけで、

  • バトル鉛筆(HB)
  • マークシート用鉛筆(HB)
  • B鉛筆

の3種類のマークシートの塗りやすさを比較してみました。

あくまで私の感覚ですが、マークシート用が一番良く、次はB鉛筆、バトルえんぴつは一番塗りにくかったです。やはりマークシート用と銘打ってるだけあって滑らかに塗れます。ただ、B鉛筆もかなり良く、マークシート用とあんまり変わりません。

TOEICなどのマークシート試験では、公式にはHBの鉛筆を使うよう推奨されています。でも、別にBだったら解答を読み取ってもらえなくて0点になるということは無いようです。だったら濃くてすぐ塗れるBのが有利なので、使わない手は無いでしょう。

マークシート用鉛筆は、普通に会社でメモを取るのにも使ってみたんですが、かなり書きやすいです。マークシート用とか言って、実際は単に高級鉛筆なだけだと思います。そういう名前で売ればTOEIC戦士に売れるので、そういう商品名をしているわけです。マーケティングのお手本ですね。

というわけで、TOEICでは、B鉛筆か、マークシート用鉛筆を使いましょう!

Bかマークシート用鉛筆を使うことで、1マークにつき1秒短縮できるなら、リーディングセクションだけで100秒も稼げます!たかが鉛筆、とバカにするか、100秒を拾いに行くか?どうしますか?

Jpeg
勢いで買ってしまったB鉛筆1ダースとマークシート用鉛筆

私の英語歴 その3 高校3年生(受験勉強)

その2の続き

高校3年生になり、私は受験勉強を始めました。

高校では劣等性だったため、勉強は嫌いでしたが、いざ自分で受験勉強を始めてみると、勉強が楽しくなりました。自分は勉強が嫌いなんじゃなくて、勉強を強いられることが嫌いだったんだなぁと気づきました。

私は数学ができなかったため、国立大学は諦め、早稲田大学を目指しました。国語と英語と世界史の3つなら何とかなるだろう、と全国の数学できない高校生が安直に考えることを私も考えていました。とは言っても、急に受験勉強を始めても、勉強の指針がありませんから、序盤は無駄が多かったです。

長文読解が主体の入試問題だから、読むスピードを身につける必要があると考えて、私が最初に取り組んだのが、超ベストセラー単語帳速読英単語 (1)必修編 [改訂第6版]
でした。これを別売りのCDを使って、シャドーイングを行い(実際は本を読みながらなのでオーバーラッピングです。当時はこれがシャドーイングだと思っていた)、英語の感覚を身につけようとしました。

夏になり、私は書店である本と出会います。それが和田秀樹の受験は要領 テクニック編―「参考書は何をどう使うか」から、効率のいい勉強法・生活術まで (PHP文庫)
です。この本は「勉強法」について書いた本で、私はこの本を読んで初めて、勉強法というものを強烈に意識するようになりました。私の学校は進学校でしたので、学校の先生がいろいろ指導してくれるんですね。学校で問題集を買わせて、それを解くことを宿題にする。それが、Next Stage みたいな本当にしょうもない本で、やらない方がマシ、って感じの本ばっかりでした。

私は和田秀樹のおかげで先生達に見切りをつけ、夏からは独自の道を切り開くことにしました。とは言え、まだ無駄が多かったです。和田秀樹の本で『基本英文 700選』を暗記するのが良いと読み、必死でこれを音読して暗記していましたが、これは効果があったとは思えません(笑)その時間に実況中継でもやったら良かったと今では思います。

『受験は要領 テクニック編』はオナニーは1日1回にしろとかそんなことまで書いた凄い本でしたが、古い本でしたので問題集等の情報は古かったのです。それでも、その本を読む度に勉強をヤル気が湧いて来たので、素晴らしい本には違いないですが。

無駄もたくさんありつつ、毎日コツコツまじめに勉強していたら、私の偏差値はどんどん上がっていきました。やはり先生の余計な指示を無視したら、勉強はなんと楽しいんだろう、と当時の私は思っていました。そして、私は12月のマーク模試の日に名古屋のジュンク堂で運命の本と出会います。

それは大西泰斗先生のネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 (Native speaker series)のことで、詳しくは文法力強化編に書きましたのでこちらには書きませんが、これは本当に私の英語力に革命を起こしました。相手が早稲田の問題だろうと、英文の理解力が段違いに上がったのを感じました。この本を読んで何も感じない人も中にはもちろん居ると思いますが、少なくとも私には革命の書でしたので、これは本当にみなさんにオススメします。

冬休みは、敢えてセンター試験の問題をやりました。早稲田志望とは言え、田舎の公立高校では、国立大学も受けないと先生が許してくれないので、いちおう名古屋大学に出願するつもりでした。センターの問題を追試含め、約30回分解きました。このころは完全に受験マシーンになっており、休日は毎日9時間勉強して夜は11時半に寝るというのを徹底していました。

センター試験では、たしか英語は187点ぐらいでした。とはいえ、志望校は早稲田ですから、特にアドバンテージがあるわけではありません。英語は高得点でしたが、数学は200点満点中の70点ぐらいで、ああこれは国立大学は落ちたな、と思いました(笑)

早稲田の入試までは、ひたすら早稲田の赤本をやりました。基本的に試験の過去問をやるタイミングは、本当はもっと早い方が良いのですが、直前の最も集中している時期にやったことが逆に良かったかもしれません。私は密かに早稲田に合格することを確信していました。入試1週間前にそれを母親に言ったら

「あんた何言っとるの」

と言われました。

私は生来本番に強い体質なので、入試本番では、実力以上に力を発揮し、試験後に予備校が配布している解答で自己採点したら、まぁ受かるだろう、という点を取っていました。このブログは英語のブログなので書きませんでしたが、実は私は英語より国語が好きだったので国語の方が勉強時間も多く、得意だったため、国語の点数もかなり合格に貢献しました。

結果は、第一文学部に合格。教育学部は不合格でした。本当に和田秀樹が理想とするような、ギリギリの合格でした。ちなみに携帯電話からその合格を確認したのが、名古屋大学の入試当日の朝でした。合格を知り、私はもう名大の入試なんか受けずに帰ろうかと思いましたが、そこはアカデミーへのリスペクトの精神から、いちおう解答用紙を埋めてから帰りました。

田舎の家庭なので、地元の国立大学に行くことが最も良いことだとされているので、もし名古屋大学に受かっていたら私は早稲田に入学できませんでした。もちろん名古屋大学には落ちましたが、いい加減に解いてきて本当に良かったと思います。

晴れて私は、2006年の4月から早稲田大学の学生になったのでした。

その4へ続く

音読の重要性

2000年ぐらいから、英語の学習に音読が効果的だともてはやされていると思います。先進的な英語指導者はもちろんもっと昔から言ってます。

音読は私もけっこう重要だと思っていて、以下のような利点があると思います。

  1. 集中して勉強できる。
  2. 身体的に英語のトレーニングができる。
  3. 英会話の練習になる。

1の集中して勉強できるとは、音読が便利な集中スイッチの役割を果たしているというような意味です。黙読をしていると、大抵は途中で気が散ります。今日の晩ご飯何食べようかな?とか、加藤茶の嫁って何してる人か検索したいな、とか、余計なことをすぐに考えます。

音読の場合は、そういう雑念が入りにくいです。声を出すことに意識を使うからです。黙読よりも簡単に、読むことに集中できるんです。

音読という身体的な行為は、言語の習得にはやはり効果的だと思うんですね。英語は、机に向かってカリカリ勉強するものではなく、身体で身につけるという側面があると思います。

音読をしばらくやると、スポーツの練習をしたように疲れます。走りこみや腕立て伏せなど、基礎的なトレーニングを行ったような感覚になります。

身体的に英語を身につけるこの感覚、スポーツをやっていた人に特にオススメです。

音読をする際の姿勢ですが、立ってするのが良いです。古くは和田秀樹の『受験は要領 テクニック編』という本で、歩きまわりながら英語を音読する勉強方が提唱されていました。齋藤孝も『からだを揺さぶる英語入門』という本で、立って音読することが効果的だと説いていました。これは本当でしょうか?

私は本当だと思います。立って音読すると、サボりにくいんですね。座ってるとだらけます。机の上のスマホをいじったりしてね。立ってやると自然と音読に集中できるんです。

黙読は、かなり集中力がある人向けです。私のようにすぐに雑念が入る人は、立って音読するのが良いです。嫌でも集中できます。

あとは、たぶん音読は英会話の練習になります。ただこれはたいした効果は期待できませんので、あくまでオマケ。英語を身体で身につけるのが音読の効果です。

私の英語歴 その2 高校1年~高校2年

その1の続き

高校に入学してからは、英語は若干の苦手科目でした。というのも、私は数学が苦手過ぎて、英語に対してはさしたる記憶が無いぐらいです。

私の通っていた高校はとにかく数学のレベルが高く、定期試験でさえ、私レベルでは問題用紙が配られた瞬間に解ける問題が1問も無く即死することが頻繁にありました。それぐらい私は落ちこぼれていました。

大学入試は数学の必要ない大学を受けようと決めていましたが、とりあえず高校を卒業しなければなりません。定期試験の単位合格さえ私は四苦八苦でした。

趣旨が反れました。英語に話を戻します。英語に関しては、高校の中で真ん中よりちょっと下ぐらいのレベルをずっと続けていました。全国模試なんかの偏差値では55ぐらいはあったと思います。

やはり翻訳と英作文、文法問題が中心の高校英語ですから、あまり好きではありませんでしたね。英語でコミュニケーションしたり、情報収集をする喜びが無いですからね、高校のカリキュラムには。当時は2004年でしたから、もうちょっと先進的な英語の授業が行われていても良さそうなものですが、我が校の英語の授業は極めてトラディショナルなものでした。

とりわけ私のヤル気を削いだのは、文法学習だったと思います。Next Stage っていう問題集を学校で買わされて、宿題としてそれをやらされていました。Amazonのレビューでも見てもらえば分かるんですが、これがもう、ダメな問題集でして、無味乾燥な問題に分かりにくい解説と、英語を嫌いにさせるために最良の本でした。受験用の参考書だったら実況中継とか、もっと分かりやすい本をやるべきでしたが、高校の教師というのは生徒に知恵を付けさせるのを嫌い、本当にためになる勉強法を提示しないことがあるんですね。教師という権威を保つためなのか、そもそも彼らの勉強能力が低いのかは分かりませんが。

そんな状態でしたから、私は偏差値55のまま高校3年生、受験の年を迎えたのでした。

その3へ続く

文法力強化編

色んな説がありますが、やはり英語を理解するために大事なことは文法だと思います。文法と言うと退屈なイメージですが、何も我々は退屈なことをするために文法を学んだわけではありません。文法は凄く便利なものなのです。

日本の学校のカリキュラムでは、中学校と高校の授業で英語の文法をひと通り習います。高校の授業で出てくる文法をマスターすれば、全ての英語表現を理解し、また、自分の表現したいことを英語で書けるようになるハズです。

しかし、実際には高校で習う英文法は複雑過ぎてマスターするのは至難のワザでしょう。しかも、マスターしたところで、実際の英会話のシーンなどではそんな複雑な文法を使って英作文していたら間に合いません。実用的な英語力を身につけるためには高公式の文法学習には深入りしてはいけません。大学受験が終わったら、高公式の英語とは離れるべきです。

私は自分の英語学習において、1回だけ、悟りを開いたと言えるほどに自分の英語力が上がった瞬間があります。それは、大西泰斗先生の文法書を読んだ時です。この先生の本は、他の凡百の文法書とは違いました。有名な『ロイヤル英文法』の類は確かに英文法を網羅していますが、文法が何故その意味を持つかは書いてありません。辞書と同じ役割しか果たさないんです。しかし大西先生の本は、英文法に対して、語順の意味など、掘り下げたアプローチが書いてあります。

大西先生は多数の本を出していますが、どれも同じような内容なので2冊の本を読めば充分だと思います。まずは

ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力 (Native speaker series)

これは私の人生を変えた本でした。高校3年生の12月、名古屋の予備校で模試を受けた帰りにジュンク堂で見つけたこの本を買っていなかったら……別の人生があったと思います。英語の語順に意味を与えるという画期的なアプローチで英文法を説明したこの本のおかげで、私の英語観が変わりました。

「単語が並んでいると、後ろの単語は前の単語を説明する役割を持つ」

このシンプルな説明に当時私はものすごく感動しました。是非読んで欲しい1冊です。

もう1冊は

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

この本は大西先生の集大成的な本なので、これさえあれば他の文法書は必要ありません。まずは通読し、その後は問題集を解く時や英作文をやる時に浮かんだ文法の疑問を解消するために随時参照すると良いでしょう。座右の書です。

文法力強化と銘打ちましたが、正直、上記2冊の本を読むこと、としか言いようがありません。それぐらい有効な本です。

私の英語歴 その1 幼少期~中学3年

私が今まで英語とどのように関わってきたのかを、幼少期まで遡って書いていきます。私は帰国子女ではありません。海外渡航歴は20歳を過ぎてから4回ありますがどれも8日以内です。英語は日本国内でコツコツ勉強を続け、ある程度の読み書き、会話をできるようになりました。このシリーズが、一人の日本人が英語を身につけるまでの記録になったら良いなーと思います。

幼稚園児の時、私は天才でした。幼稚園でやっていることがくだらなすぎて、しばらく幼稚園を休んだこともあるぐらいです。高校に入ってからは凡人になりましたので大丈夫です。私の勉強方はみなさんの参考になります。

年中の時に幼稚園をしばらく休み、家で小学館の雑誌『小学二年生』を読み、テレビを見ていました。テレビでやっていたABCの歌を見て、私はアルファベットの26文字を覚えました。今思えば、当時が私のピークだったかもしれません。

ただ、小学校時代は英語とは全く関わりませんでした。当時は今ほど英会話や英語の早期教育がもてはやされておらず、親の方針としても英語は中学生になってからやれば良いだろうというもので、教育ママがやたら子供にやらせる英会話学校の類には私は行きませんでした。

私の英語学習の開始は、中学入学時になります。

中学校の勉強では、英語だけはゼロから始まるため、最初は英語は慎重に取り組んだ方が良いと思います。私は近所の学習塾に、英語だけ勉強しに行きました。関塾とかいう、関西中心の、一部で悪名高い典型的なダメ学習塾チェーンでした。

英語は、そこそこ勉強したら、普通にできました。学校で習ったことを理解し、優秀な成績で進級していきました。英語は特別好きな科目でもなく、よくクラスに一人ぐらい居る、英語だけに目覚めちゃった奴、というわけではなく、あくまで普通の得意科目でした。

先述の通り私は中学までは天才でしたので、高校入試も無事に突破し、県内トップクラスの進学校に私は進学したのでした。それは私の落ちこぼれライフの始まりでもありました。

その2へ続く